作業環境測定士 令和6年2月 分析に関する概論

「作業環境測定のための分析概論」を購入している前提で解説しています。本HPでは「概論」と略しています。

 

過去問の一覧(パスワードの販売もしています) ⇒ https://osh-lab.com/524/

問1次の記述のうち、誤っているものはどれか。


(1) アボガドロ定数の数の物質粒子(原子、分子、イオン等)の物質量は、1モルである。


(2) 原子量は、12C の質量を基準として定められている。


(3) 原子の質量数は、その原子が有する陽子数と電子数との和である。


(4) 原子番号の順に元素を並べると、原子及び単体の諸性質に一定の周期性がある。


(5) 中性の原子又は分子は、電子を失うと正に帯電する。

解答

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(3)

【解説】この問題は令和4年の8月の問題とほぼ同じです。(3)が少し文言を変えていて、(4)の問題だけ差し替えられています。過去問は大事ですね。

(3)原子の質量数は、その原子が有する陽子数と中性子数との和である。電子の重さは陽子や中性子に比べてとても軽く、無視できるレベルである。

 


問2データの取扱いに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。


(1) 誤差とは、測定値の平均値と各測定値との差のことである。


(2)精度とは、分析値のバラツキの程度を示すものである。


(3) 真度(正確さ)とは、分析を無限回繰り返したときに得られる平均値が真の値にどれだけ近いかを示すものである。


(4) 精度と真度(正確さ)よりも迅速性を優先することがある。


(5) 測定値のバラツキの大きさを示す場合は、測定値の平均値に標準偏差や不偏分散の平方根などを±をつけて表す。

解答

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(1)

【解説】これも令和3年2月とほとんど同じ問題です。(5)だけが新しい問題です。

(1)誤差とは測定値と真の値(と考えられるもの)の差である。(概論:4章分析における基礎知識参照)

 

問3メ有機化合物に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

解答

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(4)

【解説】これも令和5年8月の問題と同じエーテルが間違っている問題です。ここまで3問過去問の理解だけで解けてしまうので当たり年ですね。

作業環境測定士 分析に関する概論 まとめ①官能基の種類 参照

(5)エーテル結合 ―O― を持つが、-OH基は持たない。

 

問4メタン4 g と二酸化炭素11 g との混合気体を1.0 気圧にしたとき、メタンの分圧として正しい値は、次のうちどれか。

ただし、水素、炭素及び酸素の原子量は、それぞれ1、12 及び16 とする。


(1) 0.3 気圧


(2) 0.4 気圧


(3) 0.5 気圧


(4) 0.6 気圧


(5) 0.7 気圧

解答

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(3)

【解説】

作業環境測定士 分析に関する概論 まとめ①混合気体の分圧の求め方 参照

分圧の問題はとても簡単なので、出たら確実に正答したい。

メタン(CH4)4/16=0.25mol

二酸化炭素(CO2)11/41=0.25mol

これを求められたら正解にたどり着く。

注意:今回は混合気体が1.0気圧だったため、モル分率と同じ結果となったが、混合気体が2.0気圧だった場合は2.0×0.7=1.4(気圧)となる。

 

問5次の物質の0.1 mol・L-1の水溶液のうち、そのpHが最も小さいものはどれか。

(1) 硝酸


(2) 硫酸


(3) 酢酸


(4) フッ化水素酸


(5) 炭酸

解答

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(2)

【解説】

「pHが小さい=酸性側である=酸の中でも強い酸」となる。

水素イオン濃度[H+]が大きいほうがpHが小さくなる(強酸)

水素イオン濃度[H+]が小さいほうがpHが大きくなる(弱酸)

一番強酸なのはこの中では硫酸である。それはH2SO4なので1つの分子から二つの水素イオンに電離するからである。=水素イオン濃度が大きい

 

問6次の熱化学反応式で示される溶液中での反応の平衡状態に関する下の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)平衡状態での正反応と逆反応の反応速度は等しい。


(2) この反応は、温度を上げると左に進む。


(3) この反応の平衡定数の単位は、mol-1・L である。


(4) 平衡定数は、平衡状態での物質の濃度から計算できる。


(5) 平衡定数は、温度に依存する。

解答

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(2)

【解説】

作業環境測定士 分析に関する概論 まとめ①平衡状態の考え方 参照

(1)左右の反応速度が等しいので平衡であると言える。

(2)この反応は吸熱反応なので、温度を上げると右に反応が進む。

(3)単位だけ示すと K = (mol/L)/{(mol/L)×(mol/l)}なので計算するとmol-1・L となる。

(5)温度が変わると反応が右に進んだり、左に進んだりする。それぞれの物質の濃度が変わるということなので、平衡定数Kは温度依存性があるということである。

 

問7液体のトルエン3.0 mg を捕集袋内の清浄空気中で完全に気化させて、トルエンの標準ガス100 L を調製した。その濃度として、正しい値に最も近いものは次のうちどれか。

ただし、トルエンのモル質量は92 g・mol-1とし、気体定数を0.082 atm Lmol-1K-1とする。
また、調製した標準ガスの温度は25 ℃、圧力は1気圧とする。


(1) 2 ppm


(2) 4 ppm


(3) 6 ppm


(4) 8 ppm


(5) 10 ppm

解答

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(4)

【解説】

理想気体の状態方程式 PV=nRT が考え方の基本となる。

まずはメチルエチルケトンの体積を計算する。

1×V =(3.0×10-3/92)×0.082×(273+25)

V= 0.80×10-3 (L)

この体積のメチルエチルケトンが100L中の空気の中に存在するので、 0.80×10-3 / 100= 8.0×10-6 = 8ppm

 


問8拡散セルを用いた標準ガスの調製に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。


(1) 拡散セルに、複数の標準物質を入れて標準ガスの調製をすることはできない。


(2) 拡散セル内の液面の高さにより標準ガスの濃度が変化するため、セル内に入れる試薬量は常に一定にする必要がある。


(3) 標準ガスの濃度の微調整は、希釈空気の流量を変える方が拡散セルの温度を変えるよりも、短時間で行うことができる。


(4) 標準ガスの濃度は、拡散セルの温度が高いほど高くなる。


(5) 標準ガスの濃度は、拡散セルの拡散チューブの内径が大きいほど高くなる。

解答

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(2)

【解説】

作業環境測定士 分析に関する概論 まとめ①拡散セルとは? 参照

(1)図の通り

(2)すみません。この問題が誤っている理由を書くことができません。ご存じの方教えてください。

(3)標準ガスの計算式には流量が入っているので、濃度を微調整するよりも流量のほうが簡単である。揮発速度は5℃刻みで表示されているので、微調整で1℃上げ下げするのは現実的ではない。

(4)(5)図の通り

 

問9化学物質Ⓐとその使用例Ⓑとの次の組合せのうち、誤っているものはどれか。

  Ⓐ                 Ⓑ
(1)  メチレンブルー          pH 指示薬
(2)  メチルイソブチルケトン      金属キレートの抽出
(3) シリカゲル            有機溶剤の捕集
(4)  二硫化炭素            有機溶剤の脱着
(5)  重水素化トルエン- d       GC-MS 分析の内標準

解答

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(1)

【解説】

ざっと見て「概論」に一部記載がある程度でした。

(1)メチレンブルーは酸化還元指示薬(メチルレッドという試薬はpH指示薬)

(2)捕集は酸-アルカリの組み合わせだと大体正しいと思います。

(4)活性炭に吸着させた有機溶剤を二硫化炭素で脱着する

 

問10誘導結合プラズマ発光分析法(ICP-AES 法)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。


(1) 代表的な装置の構成は高周波励起源部、発光部、試料導入部、分光測光部、データ処理部からなる。


(2) 発光部のプラズマの温度は6000 – 10000 K 程度である。


(3) 試料導入部のネブライザーは、先端部が細いため、試料溶液中に不溶物がある場合はあらかじめろ過する。


(4) 分光測光部はシーケンシャル型検出器とマルチ型検出器に大別されるが、いずれの形式でも多元素分析が可能である。


(5) プラズマの観測方向には軸方向と横方向があり、高濃度の測定には軸方向観測が、低濃度の測定には横方向観測が適している。

解答

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(5)

【解説】

作業環境測定士 分析に関する概論 まとめ②ICP発行分光分析 参照

(4)シーケンシャル型は回折格子を動かすことにより波長を逐次掃引することができ、自由に波長を選択できる。しかし多元素を測定する場合に時間がかかるという問題点がある。対してマルチ型は、固定した回折格子で分散させた多数のスペクトルをCCD検出器で同時に取り込む。そのため短時間で多元素を測定できる。

(5)アキシャル(軸方向)とラジアル(横方向)がある。アキシャルは感度が良く微量分析に適しており、ラジアルは定量性が良く材料分析に適している。微量分析は軸方向観測が適しているので本選択肢が誤り。

 

問11濃度2.00 × 10-2 mol・L-1の塩酸10.0 mL と濃度1.00×10-2 mol・L-1の水酸化ナトリウム水溶液10.0 mL とを混合した溶液の水素イオン濃度として、正しい値は次のうちどれか。


(1) 1.0 × 10-3 mol・L-1


(2) 2.0 × 10-3 mol・L-1


(3) 3.0 × 10-3 mol・L-1


(4) 4.0 × 10-3 mol・L-1


(5) 5.0 × 10-3 mol・L-1

解答

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(5)

【解説】

【雑な解き方】

混合すると、上記の式から1.00×10-2 mol・L-1の塩酸が残ることになる。(2.00 × 10-2 mol・L-1 - 1.00×10-2 mol・L-1

HClは完全電離するので水素イオン濃度は20ml中なので半分にして5.0×10-3mol・L-1

【丁寧な解き方】

塩酸から電離する水素イオン量・・・2.00×10-2mol・L-1 × 0.01L = 2.0×10-4mol

水酸化ナトリウムから電離する水酸化物イオン・・・1.00×10-2mol・L-1 × 0.01L = 1.0×10-4mol

過剰な水素イオン量・・・・2.0×10-4mol - 1.0×10-4mol =   1.0×10-4mol

水素イオン濃度・・・・ 1.0×10-4mol / 0.02L = 5.0×10-3mol・L-1


問12溶液Ⓐとそれを標定するのに用いる標準溶液Ⓑとの次の組合せのうち、誤っているものはどれか。

     Ⓐ(標定する溶液) Ⓑ(標定に用いる標準溶液)
(1)  塩酸溶液            炭酸ナトリウム溶液
(2)  水酸化ナトリウム溶液      フタル酸水素カリウム溶液
(3)  過マンガン酸カリウム溶液    シュウ酸ナトリウム溶液
(4)  硝酸銀溶液           塩化ナトリウム溶液
(5)  EDTA 溶液            硝酸カリウム溶液

解答

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(5)

【解説】

作業環境測定士 分析に関する概論 まとめ② 標定するのに用いる標準溶液 参照

(5)EDTA(エチレンジアミン四酢酸)はアルカリ金属を除く、多くの金属イオンと非常に安定な錯塩をつくる性質がある。そのためアルカリ金属であるK(カリウム)、Na(ナトリウム)の滴定には適さない。

一般的なEDTA滴定の目的は、水中の硬度や異なる金属イオンの含有量を測定することである。

カルシウム(Ca2+)、マグネシウム(Mg2+)亜鉛(Zn2+)銅(Cu2+)鉄(Fe2+およびFe3+)などの多価イオンの金属の滴定に適している。

 

問13水中で青色を示す物質の可視部の吸光光度分析法による測定に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。


(1)光源には、タングステンランプを用いる。


(2) 石英セルを用いる。


(3) 回折格子により測定波長の光を取り出す。


(4) 測定波長の光は、青色である。


(5) 光電子増倍管で光強度を測定する。

解答

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(4)

【解説】

作業環境測定士 分析に関する概論 まとめ②吸光光度分析計 参照

(4)青色の液は、補色である黄色付近の波長の光を透過する。物質は特定の波長の光を吸収し、目に見える色はその補色(余色)である

 

問14物質A の濃度が3.0 × 10 -5 mol・L-1 の溶液を光路長2.0 cmのセルに入れ、波長550 nm における吸光度を測定したところ、0.360 であった。次に、濃度が不明な物質A の溶液を光路長1.0 cmのセルに入れ、波長550 nmにおける吸光度を測定したところ、0.480 であった。この溶液の物質A の濃度として、正しい値は次のうちどれか。


(1) 2.0 × 10-5 mol・L-1


(2) 4.0 × 10-5 mol・L-1


(3) 6.0 × 10-5 mol・L-1


(4) 8.0 × 10-5 mol・L-1


(5) 1.0 × 10- mol・L-1

解答

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(4)

【解説】

作業環境測定士 分析に関する概論 まとめ②ランベルト・ベールの法則 参照

吸光度A = εcℓ  

ε:モル吸光係数  (L・mol-1・cm-1) 

c :モル濃度(mol/L-1)

 :光路長(cm)

0.360= ε × (3.0 × 10-5 mol・L-1)× 2.0㎝  

ε = 0.06 × 105 (L・mol-1・cm-1) = 6.0 × 103

0.480 = 6.0 × 103 × c × 1.0

c = 0.08 × 10-3 (mol・L-1) = 8.0 × 10-5 (mol・L-1)

 

 

問15フレーム原子吸光分析法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。


(1) フレームには、アセチレン- 空気などの化学炎が用いられる。


(2) フレーム中における目的原子の原子蒸気は、ほとんどが基底状態にある。


(3) 吸光度は、光源光がフレーム中を通過する位置により異なる。


(4) 吸光度は、光源光の強度に比例する。


(5) 中空陰極ランプの陰極には、測定対象金属と同一の金属が用いられている。

解答

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(4)

【解説】

作業環境測定士 分析に関する概論 まとめ②原子吸光分析法 参照

(4)ランベルト・ベールの法則(吸光度A = log(I0/I) =  εcℓ)に従うので、濃度と光路長が一定であれば入射光(I0)と透過光(I)の比率は同じである。従って強度には影響を受けない。

 

問16蛍光光度分析法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。


(1) 蛍光は、電子基底状態にある分子の振動準位間の遷移で生じる。


(2) 蛍光は、励起光よりも波長が長い。


(3) 蛍光の強度は、励起光の波長により変化する。


(4) 蛍光の強度は、対象物質の低濃度領域では励起光の強度に比例する。


(5) 蛍光の強度は、対象物質の低濃度領域では濃度に比例する。

解答

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(1)

【解説】

作業環境測定士 分析に関する概論 まとめ②蛍光光度分析法 参照

(1)蛍光は、電子励起状態にある分子の振動準位間の遷移で生じる。

 

問17ガスクロマトグラフ分析法に用いられる検出器に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。


(1) 熱伝導度検出器(TCD)では、成分気体とキャリヤーガスとの熱伝導率の差を利用する。


(2) 水素炎イオン化検出器(FID)では、水素炎中で試料がイオン化される。


(3) 電子捕獲検出器(ECD)では、β線照射で生じた二次電子が測定対象化合物に捕獲されることを利用する。


(4) 光イオン化検出器(PID)では、グロー放電で放射される赤外線で試料がイオン化される。


(5) 炎光光度検出器(FPD)では、水素過剰の還元炎中での硫黄又はリンに特有な発光を利用する。

解答

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(4)

【解説】

作業環境測定士 分析に関する概論 まとめ②ガスクロマトグラフ(GC) 参照

(4)光イオン化検出器(PID)では、グロー放電で放射される紫外線で試料がイオン化される。

 

問18ガスクロマトグラフ分析法において、カラムの長さを2倍にしたときのカラム特性に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。


(1) 理論段相当高さは変化しない。


(2) ピークの高さは1/√2倍になる。


(3) 分離度は√2倍になる。


(4) ピーク幅は2倍になる。


(5) 理論段数は2倍になる。

解答

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(4)

【解説】

作業環境測定士 分析に関する概論 まとめ②ガスクロマトグラフ(GC) 参照

(4)ピーク幅は√2倍になる。

 

 

問19作業環境測定におけるX 線回折分析法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。


(1) この分析法では、通常、Cu -KαX 線が用いられる。


(2)定性分析の試料には、乳鉢ですり潰した粉末などが用いられる。


(3) 結晶物質の定量は、回折線の強度測定で行う。


(4) 結晶物質から回折するX 線の回折角から、その物質の格子面間隔を求めることができる。


(5) X 線検出器は、X 線のスペクトル分析ができるものでなければならない。

解答

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(5)

【解説】この問題は選択肢の順番は入れ替わっていますが、令和4年2月と全く同じ問題です。さすがに8回も過去問をやっていると被ってきますね。

(1)粉末X線回折実験では純銅 Cu が陽極として用いられることが多い。Cu 陽極からは,波長概ね 0.1542 nm のX線が強く放出されKα 輻射と呼ばれる。

(5)X線の検出器はゴニオメーターが用いられ、X線の回折角と回折線の強度を測定している。X線回折分析においてX線のスペクトル分析をする必要は無い。

 

問20β壊変に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。


(1)β壊変は、原子核から陰電子を放出する壊変である。


(2) β+壊変は、原子核から陽電子を放出する壊変である。


(3) 軌道電子捕獲は、原子核が原子核近くにある軌道電子を原子核内に取り込む壊変である。


(4) β線のエネルギーは、0 から最大値まで連続した分布を示す。


(5) 空気中におけるβ線の飛程は、α線のそれより短い。

解答

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(5)

【解説】

作業環境測定士 分析に関する概論 まとめ②放射線関係 参照

(4)アルファ線とガンマ線のエネルギー分布は常に離散的な値を示すが、ベータ線だけはなぜかそのエネルギー分布は連続的な値を示す。この不可解なベータ線の連続的なエネルギーレベルを説明するためにベータ崩壊の理論が探索された。

(5)飛程・・・荷電粒子が完全にエネルギーを失って停止するまでに飛ぶ距離

α線はβ線よりも短く、数センチである。

 

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