作業環境測定士 令和6年2月 労働衛生関係法令

問1労働衛生管理体制に関する次の記述のうち、法令上、誤っているものはどれか。ただし、衛生管理者の選任の特例はないものとする。


(1) 常時1,200 人の労働者を使用する事業場においては、その業種に関係なく、総括安全衛生管理者を選任しなければならない。


(2) 総括安全衛生管理者を選任する場合には、当該事業場においてその事業の実施を統括管理する者をもって充てなければならない。


(3) 常時使用する労働者の数が10 人以上50 人未満の事業場においては、その業種に応じて、安全衛生推進者又は衛生推進者を選任しなければならない。


(4) 常時500 人を超える労働者を使用し、かつ、エックス線にさらされる業務に常時30 人以上の労働者を従事させている事業場においては、衛生管理者のうち1人を衛生工学衛生管理者免許を受けた者のうちから選任しなければならない。


(5) 当該事業場の労働者で、作業環境測定を実施している作業環境測定士であるものを衛生委員会の委員として指名しなければならない。

解答

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(5)

【解説】

作業環境測定士 労働衛生関係法令 まとめ①  安全管理体制 参照

(1)総括安全衛生管理者を選任すべき事業所は、下記の業種の区分に応じた一定規模以上の事業所である。

業種事業場の規模
(常時使用する労働者数)
林業、鉱業、建設業、運送業、清掃業100人以上
製造業(物の加工業を含む。)、電気業、ガス業、熱供給業、水道業、通信業、各種商品卸売業、家具・建具・じゅう器等卸売業、各種商品小売業、家具・建具・じゅう器等小売業、燃料小売業、旅館業、ゴルフ場業、自動車整備業及び機械修理業300人以上
その他の業種1,000人以上

(3)安全衛生推進者を選任すべき事業:常時10人以上50人未満の労働者を使用する事業場

安全衛生推進者、衛生推進者のいずれを選任しなければならないかについては、次の表の区分による。

(4)「常時500人を超える労働者を使用する事業場で、坑内労働又は労働基準法施行規則第18条第①号、第③号から第⑤号まで若しくは第⑨号に掲げる業務に常時30人以上の労働者を従事させるものにあつては、衛生管理者のうち一人を衛生工学衛生管理者免許を受けた者のうちから選任すること。」とされている。エックス線にさらされる業務は③号なので対象である。

 

(5)当該事業場の労働者で、作業環境測定を実施している作業環境測定士であるものを衛生委員会の委員として指名することができる。当該事業所の労働者の作業環境測定士を指名することが出来るというだけで、指名しなければいけないという決まりはない。

 


問2労働安全衛生規則に基づく健康診断に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。


(1) 重量物の取扱い等重激な業務に常時従事する労働者に対し、6か月以内ごとに1回、定期に、医師による健康診断を行わなければならない。


(2)医師による定期健康診断項目のうち、貧血検査、肝機能検査等一定の検査項目については、厚生労働大臣が定める基準に基づき、医師が必要でないと認めるときは、省略することができる。


(3) 雇入時の健康診断の結果に基づき、健康診断個人票を作成して、これを5年間保存しなければならない。


(4) 常時50 人以上の労働者を使用する事業者が雇入時の健康診断を行った場合、その結果を所轄労働基準監督署長に報告しなければならない。


(5) 硫酸のミストを発散する場所における業務に常時従事する労働者に対して、定期の歯科健康診断を行った場合、事業場の規模にかかわらず、その結果を所轄労働基準監督署長に報告しなければならない。

解答

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(4)

【解説】

作業環境測定士 労働衛生関係法令 まとめ①  健康診断 参照

(1)

特定業務従事者に対する健康診断・・・深夜業を含む業務など、労働衛生上有害な業務(安衛則13条1項2号)に従事する労働者については6カ月以内ごとに1回

有害業務は次に挙げる業務である(安全衛生規則13条1項2号より)

 多量の高熱物体を取り扱う業務及び著しく暑熱な場所における業務

 多量の低温物体を取り扱う業務及び著しく寒冷な場所における業務

 ラジウム放射線、エツクス線その他の有害放射線にさらされる業務

 土石、獣毛等のじんあい又は粉末を著しく飛散する場所における業務

 異常気圧下における業務

 さく岩機、びよう打機等の使用によつて、身体に著しい振動を与える業務

 重量物の取扱い等重激な業務

 ボイラー製造等強烈な騒音を発する場所における業務

 坑内における業務

 深夜業を含む業務

 水銀、素、黄りん、ふつ化水素酸、塩酸、硝酸、硫酸、青酸、か性アルカリ、石炭酸その他これらに準ずる有害物を取り扱う業務

 鉛、水銀、クロム、素、黄りん、ふつ化水素、塩素、塩酸、硝酸、亜硫酸、硫酸、一酸化炭素、二硫化炭素、青酸、ベンゼン、アニリンその他これらに準ずる有害物のガス、蒸気又は粉じんを発散する場所における業務

 病原体によつて汚染のおそれが著しい業務

 その他厚生労働大臣が定める業務

(2)定期健康診断において、下表の 6~9、11 の検査 は 40 歳未満の者(35 歳の者を除く)については、過去の健診結果、自覚症状及び他覚症状の有無などを参考に、健康診断を実施する医師(産業医を含む)の判断により省略することができる。

(4)雇い入れ時と海外派遣労働者の健康診断には報告義務がない。

(5)定期の特殊健康診断については、人数に関係なく、遅滞なく 結果報告書を所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。

 

 

問3法令に基づく安全又は衛生のための特別の教育に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。


(1)法令で定める廃棄物の焼却施設において焼却灰を取り扱う業務に労働者を就かせるときは、当該労働者に対し、原則として、法定の科目について特別の教育を行わなければならない。


(2) 酸素欠乏危険場所における作業に係る業務に労働者を就かせるときは、当該労働者に対し、原則として、法定の科目について特別の教育を行わなければならない。


(3) エックス線装置を用いて行う透過写真の撮影の業務に労働者を就かせるときは、当該労働者に対し、原則として、法定の科目について特別の教育を行わなければならない。


(4) 特定化学物質を製造し、又は取り扱う業務に労働者を就かせるときは、当該労働者に対し、原則として、法定の科目について特別の教育を行わなければならない。


(5) 特別の教育の科目の全部又は一部について十分な知識及び技能を有していると認められる労働者については、当該科目についての特別の教育を省略することができる。

解答

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(4)

【解説】

作業環境測定士 労働衛生関係法令 まとめ①  安全衛生教育 参照

もう出る問題は決まっています。まとめにある一覧を覚えておいてください。よく出るのが「有機溶剤関係業務、特定化学物質関係業務」は特別の教育は不要です。

 


問4法令により、定期に作業環境測定を行うべき作業環境測定対象Ⓐ、測定頻度Ⓑ及び記録の保存期間Ⓒの組合せとして、誤っているものはどれか。

 

解答

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(3)

【解説】

作業環境測定士 労働衛生関係法令 まとめ① 作業環境測定を行うべき作業場 を参照

作業環境測定士 労働衛生関係法令 まとめ② 特定化学物質障害予防規則  を参照

作業環境測定士 労働衛生関係法令 まとめ④ 有機溶剤中毒予防規則  を参照

色々な似た物質が特化物の特別管理物質や有機溶剤で出てくるので、この問題はまあまあ難しいと思います。とりあえず有規則の物質と過去に出た特化物特別管理物質を覚えることで対応できるかもしれません。

(2)フッ化水素は特化物の特定第二類物質。特別管理物質ではないので、記録の保存期間は3年。

(3)塩化ビニルは特化物の特定第二類物質。特別管理物質なので、記録の保存期間は30年。

 

 

問5法令に基づいて行う作業環境測定に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。


(1) 通気設備が設けられている坑内の作業場については、半月以内ごとに1回、定期に、当該作業場における通気量を測定しなければならない。


(2) 鋲打ち機、はつり機、鋳物の型込機等圧縮空気により駆動される機械又は器具を取り扱う業務を行う屋内作業場については、6か月以内ごとに1回、定期に、等価騒音レベルを測定しなければならない。


(3) 多量の液体空気、ドライアイス等を取り扱う業務を行う屋内作業場については、半月以内ごとに1回、定期に、当該屋内作業場における気温及び湿度を測定しなければならない。


(4) 第1種酸素欠乏危険作業に係る作業場については、その日の作業を開始する前に、当該作業場における空気中の酸素の濃度を測定しなければならない。


(5) 中央管理方式の空気調和設備を設けている建築物の室で、事務所の用に供されるものについては、原則として、6か月以内ごとに1回、定期に、一酸化炭素及び二酸化炭素の含有率、室温及び外気温並びに相対湿度を測定しなければならない。

解答

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(5)

【解説】

作業環境測定士 労働衛生関係法令 まとめ①  作業環境測定を行うべき作業場 参照

(3)一般的な表だと「暑熱、寒冷又は多湿の屋内作業場においては、気温、湿度及びふく射熱を測定する」とされています。設問はふく射熱を測定していないので不正解と思う方もいるかもしれません。しかしふく射熱を測定するとされている屋内作業場は安衛則587条1項1号~8号とされています。大きく括ると赤外線を発する熱源がある職場です。設問の 多量の液体空気、ドライアイス等を取り扱う業務を行う屋内作業場は、ふく射熱を測定する必要がありません。

(5)中央管理方式の空気調和設備を設けている建築物の室で事務所の用に供されるものについては、原則として、2か月以内ごとに1回、定期に、一酸化炭素及び二酸化炭素の含有率、室温及び外気温、相対湿度を測定しなければならない。

 

 

問6次の作業のうち、法令上、作業主任者の選任が規定されていないものはどれか。


(1) 屋外作業場において、特定化学物質の第2類物質を取り扱う作業


(2) 屋内作業場において、鉛ライニングを行う作業


(3) 酸素欠乏危険場所における作業


(4) ガンマ線照射装置を用いて行う透過写真の撮影の作業


(5)潜水器を用いて行う潜水の作業

解答

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(5)

【解説】

作業環境測定士 労働衛生関係法令 まとめ①  安全管理体制 参照

これも出る問題は決まっていますね。9個くらい覚えておけば対応できると思います。潜水器を用いて行う潜水作業は安衛令第6条に定められていない。 

 

 

 

問7厚生労働大臣が定める規格を具備しなければ、譲渡し、貸与し、又は設置してはならないものに該当しないものはどれか。


(1) アンモニア用防毒マスク


(2) 亜硫酸ガス用防毒マスク


(3) シアン化水素用防毒マスク


(4) 防じん機能を有する電動ファン付き呼吸用保護具


(5)ろ過材及び面体を有する防じんマスク

解答

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(3)

【解説】

作業環境測定士 労働衛生関係法令 まとめ②  譲渡の制限と検定 参照

(3)規格を具備すべき防毒マスク:一酸化炭素用、アンモニア用、亜硫酸ガス用、ハロゲン用、有機ガス用の5種類)※

  酸性ガス用と硫化水素ガス用とシアン化水素用が含まれていないことを問う問題が出題されている

※なぜこの5種類になるのかというと話がややこしいので、興味がある人は自分で調べてみてください。

安衛法第42条 ⇒ 別表第2 ⇒ 安衛令第13条第5項 ⇒ 安衛則第26条

【覚えておきたい一覧表】

厚生労働大臣が定める規格又は安全装置を具備しなければ、譲渡し、貸与し、又は設置してはならない。(衛生関係は下記8種)

【安全衛生法】別表第2

⑧ 防じんマスク

⑨ 防毒マスク(規格を具備すべき防毒マスク:一酸化炭素用、アンモニア用、亜硫酸ガス用、ハロゲン用、有機ガス用の5種類)※

  酸性ガス用と硫化水素ガス用とシアン化水素用が含まれていないことを問う問題が出題されている

⑯ 電動ファン付き呼吸用保護具

【安衛令 第13条】(厚生労働大臣が定める規格又は安全装置を具備すべき機械等)

⑳ 再圧室

㉑ 潜水器

㉒ 波高値による定格管電圧が10kV以上のエックス線装置

㉓ ガンマ線照射装置

㉙ チェンソー(内燃機関を内蔵するものであって、排気量が40cm3以上に限る。)

 


 

問8作業環境測定士に関する次の記述のうち、法令上、誤っているものはどれか。


(1) 事業者は、指定作業場の作業環境測定について、自ら使用する作業環境測定士に実施させることができない場合には、作業環境測定機関又は厚生労働大臣が指定する機関に委託しなければならない。


(2) 第2種作業環境測定士は、指定作業場におけるキシレンの濃度の測定に関し、検知管方式による測定機器を用いた分析の業務を行うことができる。


(3) 第2種作業環境測定士は、指定作業場における塩素の濃度の測定に関し、デザイン及びサンプリングの業務を行うことができる。


(4) 中央管理方式の空気調和設備を設けている建築物の室における空気中に占める一酸化炭素及び二酸化炭素の含有率の測定は、作業環境測定士ではない者に行わせることができる。


(5) 放射線業務を行う作業場のうち、管理区域に該当する部分についての外部放射線による線量当量率又は線量当量の測定は、作業環境測定士に行わせなければならない。

解答

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(5)

【解説】

作業環境測定士 労働衛生関係法令 まとめ①  作業環境測定を行うべき作業場 参照

基本的には下記の一覧表からの出題。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 000751643-1.png

(2)この問題は出題頻度が少ないので難しいですね。特化物で15種類、有機溶剤で23種類検知管法が認められています。(R6.3現在)

   作業環境測定基準から抜粋して、まとめ①に一覧を作っておきました。覚える余力がある方はどうぞ。

(5)放射線業務を行う作業場のうち、管理区域に該当する部分についての外部放射線による線量当量率又は線量当量の測定は、作業環境測定士ではない者に行わせることができる。

 

 

問9作業環境測定基準に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1) 鉱物性粉じん中の遊離けい酸の含有率の測定は、エックス線回折分析方法又は重量分析方法によらなければならない。


(2) 作業環境測定基準で定める一定の有機溶剤の濃度を測定する場合、当該有機溶剤以外の物が測定値に影響を及ぼすおそれがないときは、検知管方式による測定機器を用いて測定することができる。


(3) 冷却凝縮捕集方法は、ガス状の放射性物質の試料採取方法の一つである。


(4) 空気中の石綿の濃度の測定は、ろ過捕集方法及び計数方法によらなければならない。


(5) ろ過捕集方法に用いるろ過材は、0.3 μm の粒子を90 % 以上捕集する性能を有するものに限られる。

解答

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(5)

【解説】

作業環境測定士 労働衛生関係法令 まとめ③  作業環境測定基準について 参照

(5)作業環境測定基準1条に記載のとおりである。

ろ過捕集方法 試料空気をろ過材(0.3μmの粒子を95%以上捕集する性能を有するものに限る。)を通して吸引することにより当該ろ過材に測定しようとする物を捕集する方法をいう。

 

 

問10作業環境評価基準に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。


(1) 2種類以上の有機溶剤又は特別有機溶剤を含有する混合物を取り扱う単位作業場所にあっては、測定点ごとに、定められた算定式により求めた換算値を測定値とみなし、管理濃度に相当する値を1として管理区分の区分を行う。


(2) A 測定とB 測定を行った場合、B 測定の測定値が第1評価値の1.5 倍を超えている単位作業場所の管理区分は、第3管理区分である。


(3) A 測定とB 測定を行った場合、第2評価値が管理濃度を超えるときは、B 測定の測定値にかかわらず、第3管理区分に区分される。


(4) A 測定のみを行った場合、第1評価値が管理濃度以上であり、かつ、第2評価値が管理濃度以下である単位作業場所の管理区分は、第2管理区分である。


(5) 第1評価値及び第2評価値については、1作業日について測定した場合と連続する2作業日について測定した場合とでは計算式が異なる。

解答

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(2)

【解説】

作業環境測定士 労働衛生関係法令 まとめ③  作業環境評価基準について 参照

 

【管理区分の決定】

A測定のみを実施した場合

 

A測定及びB測定を実施した場合

第1評価値・・・単位作業場における濃度の実現値のうち、高濃度側から5%に相当する濃度の推定値

第2評価値・・・単位作業場のA測定における気中有害物質の算術平均濃度の推定値

 

2日測定の場合

第1評価値および第2評価値は次の式により計算する。

これらの式において EA1、EA2、M1、M2、σ1、σは、それぞれ次の値を表すものとする。

EA1 : 第1評価値

EA2 : 第2評価値

M1  : 1日目のA測定の測定値の幾何平均値

M2  : 2日目のA測定の測定値の幾何平均値

σ1  : 1日目のA測定の測定値の幾何標準偏差

σ2  : 2日目のA測定の測定値の幾何標準偏差

 

1日測定の場合

第1評価値および第2評価値は次の式により計算する。

これらの式において EA1、EA2、M1、σ1は、それぞれ次の値を表すものとする。

EA1 : 第1評価値

EA2 : 第2評価値

M1  : 1日目のA測定の測定値の幾何平均値

σ1  : 1日目のA測定の測定値の幾何標準偏差

※作業環境測定基準では、2日連続作業日における測定を義務付けることはしていない。しかしながら、1日測定の場合でも日間変動を考慮する必要があるため、経験的にσDの分布から上側90%の推定値としてσD=1.95が採用されている。(log1.95)2=0.084であるため、0.084という数字が式に出てくる。

日間変動を上側90%の推定値と厳しくしているので、ほとんどの場合は1日測定のほうが評価値が高くなる。

 

(2)B 測定の測定値が管理濃度の1.5 倍を超えるときは、A 測定の第1評価値及び第2評価値の値にかかわらず、第3管理区分である

 

 

問11個人サンプリング法による作業環境測定に関する次の記述のうち、法令上、誤っているものはどれか。


(1) 第1種作業環境測定士であれば、個人サンプリング法に係る登録の有無にかかわらず、登録を受けている指定作業場の種類について、個人サンプリング法による作業環境測定に係る分析の業務を行うことができる。


(2) 第1種作業環境測定士でなければ、個人サンプリング法についての登録を受けることはできない。


(3) 作業環境測定機関は、個人サンプリング法について登録を受けなければ、指定作業場に関し、個人サンプリング法による作業環境測定を行うことができない。


(4) 指定作業場における鉛の濃度に係る作業環境測定は、個人サンプリング法により行うことができる。


(5) 個人サンプリング法による測定のうちD 測定は、測定対象物質の発散源に近接する場所で作業が行われる単位作業場所において、当該作業が行われる時間のうち、測定対象物質の濃度が最も高くなると思われる時間に行う測定である。

解答

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(2)

【解説】

作業環境測定士 労働衛生関係法令 まとめ③  個人サンプリング法 参照

(1)分析に関してはサンプリング法に依らないので、個人サンプリング法に係る登録の有無は問わない。

(2)第2種作業環境測定士でも個人サンプリング法についての登録を受けることができる。名前の通りサンプリングに関わることなので、第2種作業環境測定士でも可。

(4)個人サンプリングの対象物質は以下の通り。

①個人サンプリング法対象特化物

ジクロルベンジジン及びその塩

塩素化ビフエニル(別名PCB)

オルト―トリジン及びその塩

ジアニシジン及びその塩

ベリリウム及びその化合物

アクリルアミド

アクリロニトリル

インジウム化合物

エチレンオキシド

オルト―トルイジン

オルト―フタロジニトリル

カドミウム及びその化合物

クロム酸及びその塩

五酸化バナジウム

コバルト及びその無機化合物

酸化プロピレン

三酸化二アンチモン

シアン化カリウム

シアン化水素

シアン化ナトリウム

3,3’ージクロロ―4,4’―ジアミノジフエニルメタン(MOCA)

ジメチル―二・二―ジクロロビニルホスフェイト(別名DDVP)

臭化メチル

重クロム酸及びその塩

水銀及びその無機化合物

トリレンジイソシアネート

ニッケル化合物(ニッケルカルボニルを除き、粉状の物に限る。)

ニトログリコール

パラ―ジメチルアミノアゾベンゼン

パラ―ニトロクロルベンゼン

ナフタレン

ヒ素及びその化合物(アルシン及びヒ化ガリウムを除く。)

ベンゼン

ホルムアルデヒド

マゼンタ

マンガン及びその化合物

リフラクトリーセラミックファイバー

硫酸ジメチル

②鉛

③第1種有機溶剤と第2種有機溶剤

④特定化学物質の特別有機溶剤

⓹粉じん(遊離けい酸の含有率が極めて高いものを除く。)

 

 

問12特定化学物質の区分に関する次の記述のうち、法令上、誤っているものはどれか。


(1) 第1類物質は、全て特別管理物質である。


(2) 特別有機溶剤は、全て第2類物質である。


(3) 塩素は、第2類物質である。


(4)一酸化炭素は、第3類物質である。


(5) 塩化水素は、第3類物質である。

解答

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(1)

【解説】

作業環境測定士 労働衛生関係法令 まとめ②  特定化学物質障害予防規則 参照

(1)第1類物質は7種類あるが、「塩素化ビフェニル(別名PCB)を除く」とされている。 

 

 

問13特定化学物質障害予防規則に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。ただし、同規則に定める適用除外及び設備の特例はないものとする。


(1) 「特定化学設備」とは、特定第2類物質又は第3類物質を製造し、又は取り扱う設備で、移動式以外のものをいう。


(2) 特定化学設備又はその附属設備については、原則として、2年以内ごとに1回、定期に、法定の事項について自主検査を行わなければならない。


(3) 特別有機溶剤業務に係る作業については、試験研究のために取り扱う作業を除き、有機溶剤作業主任者技能講習を修了した者のうちから特定化学物質作業主任者を選任しなければならない。


(4) 特別管理物質を取り扱う作業場において常時作業に従事する労働者について、6か月を超えない期間ごとに所定の事項を記録した作業の記録を作成し、これを30年間保存するものとされている。


(5) 金属をアーク溶接する作業を継続して行う屋内作業場において、新たな作業方法を採用するとき、又は作業方法を変更するときには、あらかじめ、労働者の身体に装着する試料採取機器等を用いて空気中の溶接ヒュームの濃度を測定しなければならない。

解答

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(4)

【解説】

(1)作業環境測定士 労働衛生関係法令 まとめ①  定期自主検査 参照

(2)作業環境測定士 労働衛生関係法令 まとめ①  定期自主検査 参照

(3)作業環境測定士 労働衛生関係法令 まとめ①  安全管理体制 参照

   特定化学物質の特別有機溶剤に係る作業は、有機溶剤作業主任者技能講習を修了した者のうちから選任する必要がある。

(4)作業環境測定士 労働衛生関係法令 まとめ②  特定化学物質障害予防規則 参照

    特別管理物質を取り扱う作業場において常時作業に従事する労働者について、1か月を超えない期間ごとに所定の事項を記録した作業の記録を作成し、これを30年間保存するものとされている。

(5)作業環境測定士 労働衛生関係法令 まとめ②  特定化学物質障害予防規則  参照

 

 

問14有機溶剤中毒予防規則又は特定化学物質障害予防規則において規制されている物質Ⓐとそれぞれの規則において規定されている当該物質の区分Ⓑとの次の組合せのうち、誤っているものはどれか。

解答

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(1)

【解説】

作業環境測定士 労働衛生関係法令 まとめ② 特定化学物質障害予防規則  を参照

作業環境測定士 労働衛生関係法令 まとめ④ 有機溶剤中毒予防規則  を参照

(1)1.2-ジクロロエタンは特別有機溶剤である。第一種有機溶剤の1,2-ジクロロエチレンと間違えることを期待した問題ですかね?なかなか難しいですね。頑張って覚えるしかないです。

 

 

問15有機溶剤中毒予防規則に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。ただし、同規則に定める適用除外及び設備の特例はないものとする。


(1)第1種有機溶剤等を用いて試験研究の業務を行う場合には、有機溶剤作業主任者を選任しなくてよい。


(2) 屋内作業場において塗装の業務を行う場合、トルエン66 %、酢酸エチル15 %、酢酸ノルマル- ブチル15 % を含有する塗料用シンナーについては、有機溶剤等の区分の色分けによる表示を、黄色で行わなければならない。


(3) タンク等の内部において、第3種有機溶剤等を用いる吹付け塗装の業務に労働者を従事させる場合には、発散源を密閉する設備、局所排気装置又はプッシュプル型換気装置を設けなければならない。


(4) 屋内作業場において、第2種有機溶剤等を用いて洗浄の業務を行う作業場所にプッシュプル型換気装置を設けた場合には、原則として、2年以内ごとに1回、定期に、法定の事項について自主検査を行わなければならない。


(5) 屋内作業場において、第2種有機溶剤等を用いて洗浄の業務を行う場合には、6か月以内ごとに1回、定期に、作業環境測定を行わなければならない。

解答

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(4)

【解説】

(1)作業環境測定士 労働衛生関係法令 まとめ ① 安全管理体制 参照

試験研究業務は除くとされている。

(2)第一種と第二種の物質をを混合した有機溶剤の場合、各有機溶剤の区分の仕方は、毒性の高い有機溶剤が5%を超えて含まれていると、毒性の高い区分になる。

   この問題で解説したいが、設問の有機溶剤3種類はいずれも第二種有機溶剤なので、どの割合で混合しても第二種有機溶剤には変わりがない。

   例えば1,2-ジクロロエチレン(第一種有機溶剤)6%とトルエン(第二種有機溶剤)94%の割合で混合した場合は、その混合物は第一種有機溶剤である。

(3)作業環境測定士 労働衛生関係法令 まとめ④  有機溶剤中毒予防規則 参照

   吹付作業の場合は第三種有機溶剤でも、発散源を密閉する設備、局所排気装置又はプッシュプル型換気装置を設けなければならない。

 

(4)作業環境測定士 労働衛生関係法令 まとめ①  定期自主検査 参照

   屋内作業場において、第2種有機溶剤等を用いて洗浄の業務を行う作業場所にプッシュプル型換気装置を設けた場合には、原則として、1年以内ごとに1回、定期に、法定の事項について自主検査を行わなければならない。

(5)作業環境測定士 労働衛生関係法令 まとめ①  作業環境測定を行うべき作業場 参照

 

問16電離放射線障害防止規則に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。ただし、労働者は、緊急作業には従事しないものとする。


(1) 外部放射線による実効線量と空気中の放射性物質による実効線量との合計が3か月間につき1.3 mSvを超えるおそれがある区域は、管理区域である。


(2) 管理区域内において男性の放射線業務従事者の受ける実効線量は、5年間につき100 mSv を超えず、かつ、1年間につき50 mSv を超えないようにしなければならない。


(3) 管理区域内において放射線業務従事者の皮膚に受ける等価線量は、1年間につき100 mSv を超えないようにしなければならない。


(4) 外部放射線による皮膚の等価線量の算定は、エックス線の場合、70 μm 線量当量によって行わなければならない。


(5) 事業者は、放射線業務従事者が受けた外部被ばく及び内部被ばくによる線量を、厚生労働大臣が定める方法により算定し、その記録を、原則として、30年間保存しなければならない。

解答

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(3)

【解説】

作業環境測定士 労働衛生関係法令 まとめ④  電離放射線障害防止規則 参照

(3) 管理区域内において放射線業務従事者の皮膚に受ける等価線量は、1年間につき500 mSv を超えないようにしなければならない。

(4)少し難しい問題だと思いますが、下記の通りです。実効線量は1cm線量当量ですが、等価線量は部位によって当量線量が異なります。

   ※「等価線量」は、組織・臓器ごとの影響を表す単位として使われ、「実効線量」は、全身への影響を表す単位。

① 1 cm線量当量   外部被ばくによって、眼の水晶体と皮膚以外の臓器・組織が受けた等価線量を評価する時、また実効線量を評価する時に用いる。

② 3 mm線量当量  外部被ばくによって眼の水晶体が受けた線量(等価線量)を評価する時に用いる。なお、水晶体の等価線量は、場合によって70 μmあるいは1 cm線量当量で評価されることがある。

③ 70 μm線量当量   外部被ばくによって皮膚が受けた線量(等価線量)を評価する時に用いる。

 

 

問17粉じん障害防止規則又はじん肺法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。ただし、同規則に定める適用除外及び特例はないものとする。


(1) 屋内の特定粉じん発生源については、発生源の区分に応じて、密閉する設備、局所排気装置、プッシュプル型換気装置若しくは湿潤な状態に保つための設備の設置又はこれらと同等以上の措置を講じなければならない。


(2) 法令に基づき設置される局所排気装置の除じん装置は、粉じんの種類がヒュームの場合は、ろ過除じん方式、電気除じん方式又はこれらと同等以上の性能を有する除じん方式としなければならない。


(3) 法令に基づき特定粉じん発生源に設けた局所排気装置については、原則として、1年以内ごとに1回、定期に、自主検査を行わなければならない。


(4) 特定粉じん作業に該当する作業については、法令に定める技能講習を修了した者のうちから、作業主任者を選任しなければならない。


(5) 常時粉じん作業に従事する労働者で、じん肺管理区分が管理2又は管理3であるものについては、1年以内ごとに1回、定期的に、じん肺健康診断を行わなければならない。

解答

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(4)

【解説】

全般的に 作業環境測定士 労働衛生関係法令 まとめ④  粉じん障害予防規則 参照

(3)作業環境測定士 労働衛生関係法令 まとめ①  定期自主検査 参照

(4)特定粉じんに必要なのは特別教育。粉じん作業主任者というものは無い。

(5)健康診断は下記の通り

 

 

問18事務所衛生基準規則に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。


(1) 機械による換気のための設備について、2か月以内ごとに1回、定期に、異常の有無を点検しなければならない。


(2) 事務室における空気中に占める一酸化炭素及び二酸化炭素の含有率を、それぞれ50 ppm以下、5,000 ppm以下としなければならない。


(3) 空気調和設備を設けている場合は、事務室の気温は18 度以上28 度以下、湿度は40 % 以上70 % 以下になるよう努めなければならない。


(4) 空気調和設備を設けている場合は、事務室に供給される空気中の浮遊粉じんの量(1気圧、25 ℃ とした場合の空気1m中に含まれる浮遊粉じんの重量)を、0.3 mg 以下としなければならない。


(5) 事務室の作業面の照度の基準は、一般的な事務作業では300 ルクス以上、付随的な事務作業では150 ルクス以上であり、感光材料の取扱い等特殊な作業を行う事務室を除き、この基準に適合させなければならない。

解答

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(4)

【解説】

作業環境測定士 労働衛生関係法令 まとめ⑤  事務所衛生基準規則 参照

(3)令和4年の法改正により、室温の努力目標値が変わった。 改正前 17℃以上28℃以下 ⇒ 改正後 18℃以上28℃以下

(4)空気調和設備を設けている場合は、事務室に供給される空気中の浮遊粉じんの量(1気圧、25 ℃ とした場合の空気1m中に含まれる浮遊粉じんの重量)を、0.15 mg 以下としなければならない。

(5)事務所において労働者が常時就業する室における作業面の照度基準が、従来の 3 区分から 2 区分に変更された。(令和4年12月)

「一般的な事務作業」については 300 ルクス以上、「付随的な事務作業」については 150ルクス以上であることが求められる。

 

 

問19酸素欠乏症等防止規則に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。


(1) 「酸素欠乏等」とは、空気中の酸素の濃度が18 % 未満である状態又は空気中の硫化水素の濃度が10 ppmを超える状態をいう。


(2) 酸素欠乏危険作業を行う場所において、爆発、酸化等を防止するために換気を行うことができない場合は、空気呼吸器、酸素呼吸器又は送気マスクを備え、労働者に使用させなければならない。


(3) 海水が滞留している暗きょの内部における作業は、第1種酸素欠乏危険作業である。


(4) メタンを含有する地層に接する井戸等の内部における作業は、第1種酸素欠乏危険作業である。


(5) し尿、汚水その他腐敗し、又は分解しやすい物質を入れてある槽の内部における作業は、第2種酸素欠乏危険作業である。

解答

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(3)

【解説】

作業環境測定士 労働衛生関係法令 まとめ⑤  酸素欠乏症防止規則 参照

(3)海水が滞留している暗きょの内部における作業は、硫化水素が発生しうるので第2種酸素欠乏危険作業である。

 

 

問20石綿障害予防規則に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。


(1) 「石綿等」とは、石綿又は石綿を重量の0.1 % を超えて含有する製剤その他の物をいう。


(2) 石綿等は、原則として、使用が禁止されているが、石綿の分析の試料の用に供される石綿等であって、使用する場所を管轄する労働基準監督署長にあらかじめ届け出られたものについては、禁止対象から除外される。


(3) 試験研究のため取り扱う作業を除き、石綿等を取り扱う作業については、石綿作業主任者技能講習を修了した者のうちから、石綿作業主任者を選任しなければならない。


(4) 試験研究のため使用する場合を含め、石綿等を取り扱う屋内作業場については、3か月以内ごとに1回、定期に、空気中の石綿の濃度を測定しなければならない。


(5) 試験研究のため使用する場合を含め、石綿等を取り扱う作業場には、当該作業場において作業に従事する者以外の者が立ち入ることを禁止しなければならない。

解答

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(4)

【解説】

作業環境測定士 労働衛生関係法令 まとめ⑤ 石綿障害予防規則 参照

作業環境測定士 労働衛生関係法令 まとめ①  安全管理体制 参照

作業環境測定士 労働衛生関係法令 まとめ①  作業環境測定を行うべき作業場 参照

(4)6か月以内ごとに1回である

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(5)立入禁止については試験研究のために使用する場合も含む

 

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