作業環境測定士への道
【PR】過去問解説を行っています。
全ての問題を丁寧に解説しています。第二種だけですが科目ごとに購入できますのでお手軽です。
過去問の解説をまとめた「まとめページ」がありますので、覚えるべきことが明確になっています。
注意書きをよく読んで購入願います。購入はこちらから⇒https://osh-lab.com/524/
無料公開分と合わせて全9回分が入手可能です。(9回もやるとリピート問題が多く、新しい問題は中々見当たりません)

【本題】
ここでは作業環境測定士になるための長い道のりを説明していきたいと思います。
この資格は取得するまですごくお金が掛かります。私は珍しく会社がお金を出してくれたので、資格に対する持ち出しはゼロでした。
でも資格取得に関する宿泊出張は日当が出ない会社なので、夜の居酒屋代が随分とかかりかかりました。
今回はこんなにお金が掛かるという面からも説明します。
詳しい説明は下記のHPを参照願います。
公益財団法人 安全衛生技術試験協会 https://www.exam.or.jp/index.htm
公益財団法人 日本作業環境測定協会 https://www.jawe.or.jp/index.html
*日本作業環境測定協会のHPには「作業環境測定士になるまでの道のり」というページもあるので、そちらを見れば私のHPのこの先は意味が無いのかもしれません。
興味のある人だけ見てください。
【お金の計算の前提】
第一種作業環境測定士の有機溶剤と特化物を取得して登録する。
住んでいるところは金沢駅の近く。食費は計算に入れない。
作業環境測定士とは
鉱物性粉じん(第1号)、放射性物質(第2号)、特定化学物質(第3号)、金属類(第4号)、有機溶剤(第5号)を取り扱う作業場の作業環境測定は、作業環境測定士以外は行えません。
第一種作業環境測定士
デザイン・サンプリング、分析(解析を含む)の全てを行えます。
分析ができないとサンプリングした意味がないので、作業環境測定機関もしくは自社で行う場合でも一人以上は第一種作業環境測定士が必要です。(簡易分析による分析業務の場合を除く)
第二種作業環境測定士
デザイン・サンプリング、簡易測定器による分析業務のみが出来ます。(簡易測定器は下記の2点が主に挙げられる)
・検知管方式によりガスまたは蒸気の濃度を測定する機器
・較正された浮遊粉じんの重量を測定する機器
簡易測定器だけで完結するのであれば第二種作業環境測定士で事足ります。
簡易分析以外では一般的には第二種作業環境測定士がサンプリングまでを行い、それを第一種作業環境測定士に渡して分析してもらうという流れが一般的だと思います。
受験資格と科目の免除
受験資格は多岐にわたります。詳しくは下記のリンクを参照ください。
多岐にわたっているものの、多くの条件に「労働衛生の実務に従事した経験」が必要となっています。
それは何だろうか?という疑問に行き着くと思いますが、下記の3項目に該当するのだと思います。
①労働環境衛生に関する調査又は研究
②作業条件、施設等の衛生上の改善
③衛生教育、健康診断その他労働者の健康保持のための必要な措置等
各自この業務に当てはまるかは、会社ごとの判断になると思いますので、会社の証明印を押してもらう方に確認してください。
最近は国家試験の経歴偽装というニュースがありますので、そのようなことがないようにしたいものです。
②あたりは普通に仕事をしていれば該当するような気もしますが・・・
科目の免除は結構あります。環境計量士(濃度関係)や第一種衛生管理者で一定の経験を持つものは試験免除講習を受けることで免除になる科目があります。
特に環境計量士は優遇されすぎの感があって、試験免除講習を受けなくてもデザイン・サンプリングと分析概論が免除になります。
試験免除講習を受けると全ての科目が免除されます。
デザイン・サンプリングは環境計量士の試験とは関係なさそうな感じはしますが・・・
受験科目や合格基準など

第二種作業環境測定士
共通科目の4つを受験する必要があります。
日程・・・毎年8月と2月の2回試験があり、1日かけて行われます
試験手数料・・・11,800円
合格基準・・・共通科目4科目全ての試験が20問あり、60%以上の正答(=12問以上)で合格となります
第二種作業環境測定士の試験は、科目合格の制度が取り入れられています。
共通科目の4科目すべてに合格点に達しなかった場合でも、合格点に達した科目は2年間合格扱いになります。
つまり年2回試験があるので、1科目づつ合格していけば4回目の試験で4科目合格扱いとなり、晴れて第二種作業環境測定士合格となります。
受験料と時間と交通費の無駄なので一度で合格するのが一番ですが、極端な例として挙げさせていただきました。
第一種作業環境測定士
共通科目の4つにプラスして選択科目を受験する必要があります。
日程・・・毎年8月に1回だけ試験があります。1日かけて行われます。共通科目の次の日です
受験する科目は1科目だけでもいいですし、5科目受けてもいいです。
試験手数料・・・共通科目と同時に受験する場合 13,900~27,100円(科目数による)
選択科目だけ受験する場合 10,600~23,800円(科目による)
合格基準・・・選択科目5科目全ての試験が20問あり、60%以上の正答(=12問以上)で合格となります
●第二種作業環境測定士を持っていない人が共通科目と選択科目を受けた場合
選択科目に合格せず共通科目は4科目全て合格していたら、第二種作業環境測定士に合格となります。
選択科目に合格せず共通科目も4科目全てに合格しなかった場合は、合格した共通科目は2年間有効です。
選択科目に合格したが共通科目で4科目全てに合格しなかった場合は、合格した選択科目は無効となります。合格した共通科目は2年間有効です。
少しややこしいです。図解したほうがいいのかもしれませんが、そこまでの気力がありませんでした。
◎金沢から選択2科目受験
試験手数料 17,200円
交通費 17,440円(金沢⇔南加木屋1往復、南加木屋⇔名古屋1往復)
宿泊費 14,000円(2泊@7,000円)
合計 48,640円
作業環境測定士試験受験準備講習
公益財団法人日本作業環境測定協会開催の「作業環境測定士試験受験準備講習」についてです。
https://www.jawe.or.jp/kosyu/jyukenmae.html?id=jyukenjyunbi
毎年7月上旬ごろに行われているんだと思います。(下記表は公益財団法人日本作業環境測定協会の案内から抜粋)

当時は会場しかなかったので、大阪で5日間受講しました。今は会場/ZOOM/アーカイブと3つから選べるようです。
第二種作業環境測定士の全てを受講しようとすると、5日間で82,000円かかります。
私の会社で作業環境測定士を取るのは初めてだったので、「凄く難しい試験」という扱いだったので5日間行かせてもらいました。
ここ最近は社内で合格の秘訣(って言うほどでもないですが)を私が伝えているので、私の会社では受講する人は少なくなりました。
夜は会社の人と梅田に飲みに行ったり観覧車乗ったり、天満橋の商店街で飲んだり4日間でずいぶんお金を使ったような気がします。(ここは自業自得)
◎金沢から第二種の講習を4科目分受講 (第一種2科目は自力で勉強とする)
受講料 82,000円
交通費 16,000円(金沢⇔大阪1往復)
宿泊費 28,000円(4泊@7,000円)
合計 126,000円
登録講習
合格後に「合格したので免状の申請でも出そう」という気持ちになりますが、ここからまだ登録講習というものがあります。
講習終了後に修了試験があり、実技試験と筆記試験が行われます。
ここで合格すると登録修了証なるものがもらえて、ようやく登録が可能となります。
この試験多分落ちる人がいると思います。もう15年前なので内容は忘れましたが結構難しかった記憶があります。
与えられた測定値から幾何平均値、幾何標準偏差、第一評価値および第二評価値を関数電卓で求める必要があります。
関数電卓で対数を取ったりするわけですが、大学時代も使えていたか怪しい男が30代半ばに急に使えるようになっているはずがありません。
一応事前に最低限の扱いを出来るようにして臨みました。
皆さんも少なくとも関数電卓で上記の計算ができるようになってらか臨んだほうがいいと思います。
PCがメインな昨今、関数電卓で計算する必要があるのかどうか?と思いますが、本質を理解しているか確認する意味はあるのだと思います。
関数電卓はカシオのfx-JP500がおすすめです。使いやすいとかは人それぞれですが、一番売れているが故に書籍やYoutubeでの解説が多いです。
私はキヤノン派なので載せておきますが、各自の判断でお願いします。
私も購入した本が下記です。CASIO fx-JP500 と SHARP EL-509T での使い方を主にしています。
こういったところがさらにカシオが売れていく原因ですね。
事前に実技基礎講習と計算基礎講習がありますので、不安な方は受けたほうがいいと思います。
実技基礎講習を受講して2年以内に登録講習を受けると、実技試験が免除になります。
先ほども言いましたが、私の会社では当時作業環境測定士は「凄く難しい試験」だったので実技基礎講習は受けさせてもらいました。
第一種作業環境測定士になる人は、まず第二種作業環境測定士の修了が必要です。
第二種作業環境測定士は3日です。
第一種作業環境測定士は2日です。
公益社団法人 関西労働衛生技術センター (大阪)
https://www.kansai-center.or.jp/lecture.html
株式会社大同分析リサーチ (愛知)
https://www.daido.co.jp/dbr/products/kankyo_01.html
公益社団法人 日本作業環境測定協会 (東京)
https://www.jawe.or.jp/kosyu/gokakugo.html?id=torokukosyu
一般財団法人 西日本産業衛生会 (福岡)
https://www.nishieikai.or.jp/training/sagyo-kankyo-sokuteishi.html
他にもあるかもしれませんが、ざっと調べて4つありました。
◎金沢から講習を受講 (まず第二種分/実技基礎講習は受けない)
受講料 89,100円
交通費 16,000円(金沢⇔大阪1往復)
宿泊費 21,000円(前泊を含む3泊@7,000円)
合計 126,100円
◎金沢から講習を受講 (次に有機溶剤/実技基礎講習は受けない)
受講料 79,200円
交通費 16,000円(金沢⇔大阪1往復)
宿泊費 14,000円(前泊を含む2泊@7,000円)
合計 109,200円
◎金沢から講習を受講 (次に特化物/実技基礎講習は受けない)
受講料 79,200円
交通費 16,000円(金沢⇔大阪1往復)
宿泊費 14,000円(前泊を含む2泊@7,000円)
合計 109,200円
登録
ようやく登録にたどり着きました。私もここまで書いてきて疲れてきました。
試験や講習など、お疲れさまでした。
公益財団法人 安全衛生技術試験協会で登録業務を行っています。
https://www.exam.or.jp/exmn/H_sokutei_touroku%20_sinki.htm
作業環境測定法(昭和50年法律第32号)に基づく作業環境測定士の登録に対して、登録免許税 第1種30,000円 第2種15,000円 が課されることとなりました。
◎登録免許税
免許税 30,000円
合計 30,000円
お金の問題
今までかかったお金を集計します。
【必要最低限の費用】
◎金沢から受験(第一種 2科目)
試験費/講習費/税金 294,700円
交通費 65,440円
宿泊費 63,000円
合計 423,140円
二種だけの方も多いと思うので計算してみました。
◎金沢から受験(第二種)
試験費/講習費/税金 115,900円
交通費 32,340円
宿泊費 28,000円
合計 176,240円
以上参考にしてください。試験会場に近い方は交通費・宿泊費を抜いて計算してください。
最低でも一種(二科目)で29万円、二種12万円ですね。
私は勤め人で試験・講習中も会社からは給料が出ていたので、二種取得には6日位給料をもらっていることになります。
日給2万とすると12万円なので、30万の価値がある資格と言えます。
(試験前講習も5日間受けているので10万円の給料+費用12万円の22万円も足すと52万円となります・・・)
取得すると自分の仕事にプラスして作業環境測定をする必要があるので、そこは困ったところです。
でも自分の安全衛生の力もアップしますので、まあよかったんじゃないかと思っています。
ちなみに私は有機と特化物の一種に合格していますが、金銭的な理由で登録はしてません。
勉強時間と難易度
各個人の基本的な知識に影響を受けるので一概には言えません。
分析概論以外は知識ゼロから始めて、3教科計で100時間くらいだと思います。
分析概論は化学の「当たり前」を聞いてくる問題が少なからずあります。この「当たり前」っていうのが逆に勉強が難しく、幅広く掴みどころがない感じがします。
従ってどれくらい勉強する必要があるのかわからないのですが、化学の初心者は分析概論で60時間位でしょうか。化学を勉強してきた人で分析概論は20時間位でしょうか。
一種は各教科30時間あれば十分だと思います。
※得点率80%以上狙う勉強時間の目安のため、やや多めになっています。60%ギリギリを目指すのであればもう少し短くてもいいかもしれません。
難易度
一種★★★★☆ (やや簡単)
二種★★★☆☆ (普通)
二種を合格した人が一種を受けるという前提で一種を「やや簡単」と判定しました。
過去問の練り直し問題が多いので、対策が簡単です。
二種も過去問の練り直し問題が多いのですが、幅広いのと化学を勉強していない人の分析概論を加味して普通と判定しました。