第1種衛生管理者 令和3年10月 労働衛生(問11~問14)

問11 労働衛生対策を進めるに当たっては、作業管理、作業環境管理及び健康管理が必要であるが、次のAからEの対策例について、作業管理に該当するものの組合せは(1)~(5)のうちどれか。


A 振動工具の取扱い業務において、その振動工具の周波数補正振動加速度実効値の3軸合成値に応じた振動ばく露時間の制限を行う。
B 有機溶剤業務を行う作業場所に設置した局所排気装置のフード付近の吸い込み気流の風速を測定する。
C 強烈な騒音を発する場所における作業において、その作業の性質や騒音の性状に応じた耳栓や耳覆いを使用させる。
D 有害な化学物質を取り扱う設備を密閉化する。
E 鉛健康診断の結果、鉛業務に従事することが健康の保持のために適当でないと医師が認めた者を配置転換する。


(1)A,B


(2)A,C


(3)B,C


(4)C,D


(5)D,E

解答

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(2)

【解説】

第1種衛生管理者 衛生管理 まとめ① 労働衛生の三管理 参照

作業環境管理とは「設備による改善、製造工程そのものの変更、作業環境測定」など設備や製法の管理である。

作業管理とは 「作業方法の変更、表示、保護具の着用」などであり人に着目した管理である。

健康管理とは「健康診断、その結果による措置」についてである。

この考えについて分類すると。

(A)作業管理 人の作業を制限

(B)作業環境測定 

(C)作業管理 保護区の着用

(D)作業環境管理

(E)健康管理

 

問12 次の化学物質のうち、常温・常圧(25℃、1気圧)の空気中で蒸気として存在するものはどれか。ただし、蒸気とは、常温・常圧で液体又は固体の物質が蒸気圧に応じて揮発又は昇華して気体となっているものをいうものとする。


(1)塩化ビニル


(2)ホルムアルデヒド


(3)二硫化炭素


(4)二酸化硫黄


(5)アンモニア

解答

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(3)

【解説】

第1種衛生管理者 労働衛生 まとめ①化学物質の物性 参照

この問題は私には難しかったです。蒸気とガスの定義をキッチリとしないと間違えます。問題文で定義されているところに優しさが感じられますが・・・・

ガス・・・常温・常圧で気体のものをいう

蒸気・・・液体や固体から発生する気体

すなわち常温・常圧で液体もしくは固体のものが蒸気として存在するものである。従って沸点が46℃の二硫化炭素が蒸気として存在する物質である。

 

問13 作業環境における有害要因による健康障害に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。


(1)電離放射線による中枢神経系障害は、確率的影響に分類され、被ばく線量がしきい値を超えると発生率及び重症度が線量の増加に応じて増加する。

(2)金属熱は、鉄、アルミニウムなどの金属を溶融する作業などに長時間従事した際に、高温により体温調節機能が障害を受けたことにより発生する。

(3)潜水業務における減圧症は、浮上による減圧に伴い、血液中に溶け込んでいた酸素が気泡となり、血管を閉塞したり組織を圧迫することにより発生する。

(4)振動障害は、チェーンソーなどの振動工具によって生じる障害で、手のしびれなどの末梢神経障害やレイノー現象などの末梢循環障害がみられる。


(5)凍瘡は、皮膚組織の凍結壊死を伴うしもやけのことで、0℃以下の寒冷にばく露することによって発生する。

解答

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(4)

【解説】

第1種衛生管理者 衛生管理 まとめ② 有害物質による疾病 参照

第1種衛生管理者 衛生管理 まとめ② 有害要因による健康障害 参照

(1)確率的 ⇒ 確定的 だと正しい

(2)金属熱・・・亜鉛や銅のヒュームや酸化亜鉛などを吸入して数時間後に、関節痛・悪寒・発熱などの症状を発症し、数時間後に発汗とともに解熱し、多少の疲労感を残して回復する。金属加工の熱による体の不調ではない

(3)酸素 ⇒ 窒素 だと正しい

(4)正しい

(5)凍瘡(しもやけ)は 気温が4~5℃で発症しやすい。

 

問14 金属による健康障害に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。


(1)カドミウム中毒では、上気道炎、肺炎、腎機能障害などがみられる。


(2)鉛中毒では、貧血、末梢神経障害、腹部の疝痛などがみられる。


(3)マンガン中毒では、筋のこわばり、震え、歩行困難などのパーキンソン病に似た症状がみられる。


(4)ベリリウム中毒では、溶血性貧血、尿の赤色化などの症状がみられる。


(5)金属水銀中毒では、感情不安定、幻覚などの精神障害や手指の震えなどの症状・障害がみられる。

解答

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(4)

【解説】

第1種衛生管理者 衛生管理 まとめ② 有害物質による疾病 参照

(4)ベリリウムに溶血性貧血、尿の赤色化は見られない。ベリリウムは急性中毒では呼吸器症状、慢性中毒ではベリリウム肺と呼ばれる肺肉芽腫がみられる。

 

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