第1種衛生管理者 労働衛生 まとめ③
局所排気装置
common_Ventilating.pdf (mhlw.go.jp) 厚生労働省のパンフレットをトリミングして使用

この図は沼野先生のやさしい局排設計教室(4,400円)から引用されています。
この本は局所排気に関するバイブルのような本です。労働衛生コンサルタント(衛生工学)を受験する人で持っていない人は居ないのでは?という位やさしく、それでいて深く書かれています。
今後作業環境測定士として活躍するのであれば購入することをおすすめします。労働衛生コンサルタント(衛生工学)を取りたいと思っている方はもう買ったほうがいいと思います。
※下記リンクの写真は最新号ではない可能性があります。ご注意願います。
新品の最新号は中災防でしか売っていないかもしれません。
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呼吸用保護具の種類
r100.pdf (mhlw.go.jp) 厚生労働省の対策シートより抜粋 PDF

防じんマスクの種類

【通達】防じんマスクの選択、使用等について ⇒ クリック
ろ過材については、よく乾燥させ、ろ過材上に付着した粉じん等が飛散しない程度に軽くたたいて粉じん等を払い落すこと。
ただし、ひ素、クロム等の有害性が高い粉じん等に対して使用したろ過材については、1回使用するごとに廃棄すること。
なお、ろ過材上に付着した粉じん等を圧搾空気等で吹き飛ばしたり、ろ過材を強くたたくなどの方法によるろ過材の手入れは、ろ過材を破損させるほか、粉じん等を再飛散させることとなるので 行わないこと。
また、ろ過材には水洗して再使用できるものと、水洗すると性能が低下したり破損したりするものがあるので、取扱説明書等の記載内容を確認し、水洗が可能な旨の記載のあるもの以外は水洗し てはならないこと。
防毒マスクの吸収缶と除毒能力

防じん機能を有する防毒マスクにあっては、吸収缶のろ過材がある部分に白線を入れることが通達で定められている。
防毒マスクの使用区分(平成2年労働省告示第68号)
隔離式 2%(アンモニアにあっては3%)以下
直結式 1%(アンモニアにあっては1.5%)以下
直結式小型 0.1以下であって非緊急用
※酸素濃度が18%に満たない場所で使用することは認められない。この場合は送気マスクを使用する。
※使用の範囲を超える濃度の場所では使用しないこと
※吸収缶の使用限度を超えて使用しないこと
破過曲線と相対破過比(RBT)
例えば有機ガス用の吸収缶には、下記のような破過曲線図が必ずついているので見方を説明する。

試験ガスというのは、有機ガスは数多いのでシクロヘキサンで試験するというのがJISで定められている。
Maximum allowable penetrationというのは日本語で「最高許容透過濃度」と言われている。吸収缶に試験ガス含有空気を通した場合、吸気側における試験ガスの濃度が破過と判定されない最高の濃度と定義されている。「給気側に5ppmの濃度となった場合破過したと判定する」と言って差し支えない。
流量・温度・湿度は破過時間に影響するので条件を一定にして試験を行っている。
ガス濃度0.02%で試験すると、破線と曲線の交点から350分で破過すると読み取れる。
[参考]の点は高温・高湿度の不利な条件では全ての濃度で試験は行っていないが、一点データを示すのであとはユーザーで判断してくださいという点である。
高温:気体の分子運動が激しくなり、一旦吸着した有機溶剤が脱離しやすくなる。そのため破過時間が短くなる。
高湿:吸着剤に水分が吸着し、有機溶剤を吸着する力が弱くなる。そのため破過時間が短くなる。
下記が各溶剤の相対破過比と言われるものである。
シクロヘキサンでしか試験をしないために、各溶剤の相対的な破過のしやすさを示す指標である。
各溶剤の相対破過比 = 各有機溶剤の破過時間 / シクロヘキサンの破過時間 で示される。
つまり 各溶剤の破過時間 = 各溶剤の相対破過比 × シクロヘキサンの破過時間 である。
下記を見ていただくと、メタノール、二硫化炭素、ジクロルメタン、酢酸メチル、エチルエーテルなどは破過時間が短くなっているので注意が必要である。

防毒マスクの使用中に臭気を感知した場合を使用限度時間の到来として吸収缶の交換時期とする方法は、有害物質の臭気等を感知できる濃度がばく露限界濃度より著しく小さい物質に限り行っても差し支えない。
例として
アセトン(果実臭)
クレゾール(クレゾール臭)
酢酸イソブチル(エステル臭)
特殊健康診断
どのような問題が出るのかまだ理解していないので、一旦出た問題をまとめてみました。
一部作業環境測定士の問題から持ってきたものもあります。
全般
有害物質による健康障害は、多くの場合、諸検査の異常などの他覚的所見より、自覚症状が後に出現することが多い
生物学的モニタリング
特殊健康診断における生物学的モニタリングによる検査は、有害物の体内摂取量や有害物による健康影響の程度を把握するための検査である。
体内に取り込まれた鉛の生物学的半減期は、数時間と短いので、有機溶剤健康診断における採尿及び採血の時期は、厳重にチェックする必要がある。
対して鉛は半減期が長いので作業従事中ならいつ採取しても良い。
鉛 ⇒ 血中の鉛濃度、尿中デルタアミノレブリン(半減期が900時間と長く、作業従事期間中ならいつ採取してもよい)
トルエン ⇒ 尿中の馬尿酸(飲食物の安息香酸の量で増加する)
キシレン ⇒ 尿中のメチル馬尿酸
N,N-ジメチルホルムアミド ⇒ 尿中の N-メチルホルムアミド
テトラクロロエチレン ⇒ 尿中の総三塩化物
振動障害
振動工具(チエンソー等を除く。)の取扱い等の業務に係る特殊健康診断について を参照
振動工具の取扱い業務に係る特殊健康診断の実施時期は、少なくとも1回は冬季に行われることとされている。
※寒冷条件だと指先の毛細血管が収縮して血流が悪くなる。そのために症状が出やすいので冬季に実施することとされている。
情報機器作業
情報機器作業に係る健康診断では、眼科学的検査などとともに、上肢の運動機能の検査を行う。