第1種衛生管理者 令和4年4月 労働衛生(問15~問18)

問15 粉じん(ヒュームを含む。)による健康障害に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。


(1)じん肺は、粉じんを吸入することによって肺に生じた線維増殖性変化を主体とする疾病である。


(2)鉱物性粉じんに含まれる遊離けい酸(SiO2)は、石灰化を伴う胸膜肥厚や胸膜中皮腫を生じさせるという特徴がある。


(3)じん肺は、肺結核のほか、続発性気管支炎、続発性気胸、原発性肺がんなどを合併することがある。


(4)溶接工肺は、溶接の際に発生する酸化鉄ヒュームのばく露によって発症するじん肺である。


(5)アルミニウムやその化合物によるじん肺は、アルミニウム肺と呼ばれている。

解答

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(2)

【解説】

第1種衛生管理者 衛生管理 まとめ② 有害物質による疾病 参照

(1)正しい じん肺法第2条に定めれている

(2)誤り 胸膜肥厚や胸膜中皮腫を生じるのは石綿によるものである

(3)正しい じん肺則2条の通り

(4)正しい

(5)正しい

 

問16 作業環境における有害要因による健康障害に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。


(1)全身振動障害では、レイノー現象などの末梢循環障害や手指のしびれ感などの末梢神経障害がみられ、局所振動障害では、関節痛などの筋骨格系障害がみられる。


(2)減圧症は、潜函作業者、潜水作業者などに発症するもので、高圧下作業からの減圧に伴い、血液中や組織中に溶け込んでいた窒素の気泡化が関与して発生し、皮膚のかゆみ、関節痛、神経の麻痺などの症状がみられる。


(3)凍瘡は、皮膚組織の凍結壊死を伴うしもやけのことで、0℃以下の寒冷にばく露することによって発生する。


(4)電離放射線による中枢神経系障害は、確率的影響に分類され、被ばく線量がしきい値を超えると発生率及び重症度が線量の増加に応じて増加する。


(5)金属熱は、金属の溶融作業において、高温環境により体温調節中枢が麻痺することにより発生し、長期間にわたる発熱、関節痛などの症状がみられる。

解答

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(2)

【解説】

第1種衛生管理者 衛生管理 まとめ② 有害物質による疾病 参照

(1)まとめ②振動障害参照  全身振動障害と局所振動障害の説明が逆

(2)まとめ②異常気圧参照  正しい

(3)まとめ②低温下参照   設問は凍瘡と凍傷を混在して記載してある。個別の健康障害を理解しておいてください。

(4)まとめ②電離放射線参照 中枢神経系障害は確定的障害に分類される。

(5)まとめ②金属類参照   金属熱は、亜鉛や銅のヒュームや酸化亜鉛などを吸入して数時間後に、関節痛・悪寒・発熱などの症状を発症することである。数時間後に発汗とともに解熱し、多少の疲労感を残して回復する。金属加工の熱による体の不調ではない。

問17 労働衛生対策を進めていくに当たっては、作業環境管理、作業管理及び健康管理が必要であるが、次のAからEの対策例について、作業環境管理に該当するものの組合せは(1)~(5)のうちどれか。

A 粉じん作業を行う場所に設置した局所排気装置のフード付近の気流の風速を測定する。
B アーク溶接作業を行う労働者に防じんマスクなどの保護具を使用させることによって、有害物質に対するばく露量を低減する。
C 鉛健康診断の結果、鉛業務に従事することが健康の保持のために適当でないと医師が認めた者を配置転換する。
D 放射線業務において、管理区域を設定し、必要のある者以外の者を立入禁止とする。
E 有機溶剤を使用する塗装方法を、有害性の低い水性塗料の塗装に変更する。

(1)A,D
(2)A,E
(3)B,C
(4)B,D
(5)C,E

解答

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(2)

【解説】

第1種衛生管理者 労働衛生 まとめ①労働衛生の3管理参照

A 作業環境測定の一環なので作業環境管理である

B 保護具の着用なので作業管理である

C 健康診断の結果を用いているので健康管理である

D 立入禁止区域を設定(≒表示)しているので作業管理である。

E 製造工程そのものの変更なので作業環境管理

 

問18 局所排気装置に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。


(1)ダクトの形状には円形、角形などがあり、その断面積を大きくするほど、ダクトの圧力損失が増大する。


(2)フード開口部の周囲にフランジがあると、フランジがないときに比べ、気流の整流作用が増すため、大きな排風量が必要となる。


(3)スロット型フードは、発生源からの飛散速度を利用して捕捉するもので、レシーバ式フードに分類される。


(4)キャノピ型フードは、発生源からの熱による上昇気流を利用して捕捉するもので、レシーバ式フードに分類される。


(5)空気清浄装置を付設する局所排気装置を設置する場合、排風機は、一般に、フードに接続した吸引ダクトと空気清浄装置の間に設ける。

解答

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(4)

第1種衛生管理者 労働衛生 まとめ③局所排気装置参照

common_Ventilating.pdf (mhlw.go.jp) 厚生労働省のパンフレットを参照願います

(1)よくストローに例えられる。「凄く細いストロー」と「ちょうどよいストロー」はどちらが強く吸わないといけないかをイメージすると、凄く細いストローのほうが強く吸わないといけない。すなわち細いほうが圧力損失が大きいと言える。設問は断面積を大きくしているので、圧力損失は小さくなるが正解。ちなみに円形ダクトと角型ダクトの面積が同じ場合、円形ダクトのほうが圧力損失が小さい。角型ダクトは直角部分で気流が乱れるためである。

(2)フランジは整流作用を増すので、風量は少なくすることが可能となる。

(3)レシーバー型というのは有害物が飛んでくる方向に吸引口があるイメージである。スロット型は外付け式フードに分類され、吸い込む力で有害物を吸引している。

(4)キャノピー型フードは上昇気流で飛んできた有害物を吸引しているために、スロット型に分類される。

(5)排風機の前に空気清浄機がないと排風機に異物が入って壊れやすくなる。

 

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