第一種作業環境測定士(特定化学物質) 登録講習受講
先日第一種作業環境測定士(特定化学物質)の登録講習に行ってきましたので、備忘録的に体験談を書いておきます。
※私は第二種を17年位前に受講しており、すでに内容を忘れています。また、第一種も特定化学物質しか受けていません。従いまして今回大同分析リサーチセンター様にお世話になりましたが、ここが良かったと書いてあることは、単にそう思っただけで、他の登録機関と比較してのコメントではありませんのでご留意ください。
第一種作業環境測定士は費用の関係から登録することは無いと思っていましたが、会社の体制の変化により誰か有機溶剤と特定化学物質を登録しないといけなくなりました。試験合格者は2名しかいなかったため、もう一人が有機、私が特化を登録することとなりました。もちろん会社のお金です。
作業環境測定士試験の過去問解説を販売している身としては、第一種のほうが何となく信頼性が高く感じてもらえるかもしれませんので、これはラッキーかもしれません。会社の仕事が増えるのが困りものですが・・・・
受講場所
登録機関:株式会社大同分析リサーチ ⇒ HP
場所:大同分析リサーチ 労働衛生講習センター 愛知県名古屋市南区滝春町9番地11号(名古屋駅から大体20分330円位)
名鉄大同町の駅を出て道路突き当り右側です。看板があり「講習会場→」と書いてあります。そのまま真っ直ぐ行って、ローソンを過ぎて50m位です。
最近移転してきたようで、講義場所や分析場所は新しく、トイレも綺麗でした。
実技基礎講習Cコース受講
今回の登録講習は会社の体制変化のため、絶対に負けられない戦いです。ここで万が一落ちると、とんでもないことが会社に起こります。
7年以上分析機器やガラス機器を触ってない私は、実技試験でやらかす可能性がゼロではありません。もちろん実技基礎講習を受験させていただきました。33,000円(税込)は会社のお金です。
この実技講習を受験すると、有機溶剤、特定化学物質、金属類の実技試験が免除となります。有効期限は2年です。全国どこの機関でも有効なようです。
法律で実施時間が6時間と決まっているのでしょう。1分足りとも休憩が長くなることはありません。(この辺は2017年の某社の講習・教習時間不足問題も有り、きっちりしています)遅刻・早退は厳禁です。
■吸光光度分析法 2時間
座学でランベルト・ベールの法則を勉強し、実際に吸光度の検量線を作成し、未知の物質の濃度を定量するという流れです。
吸光光度分析は一般的な測定機なので、そこまで難しいことは無いですね。
■原子吸光分析法 2時間
座学で原理を学んだあと、実際に標準系列を作って、未知の物質の濃度を定量するという流れです。
原子吸光分析法は吸光光度分析法に比べて、使ったことがある人は少ないのではないでしょうか。
実際使ってみると、テキストで見るのとは格段にわかりやすかったです。
■ガスクロマトグラフ(GC)分析法
これも大体流れは同じです。GCは測定時間が長いので、標準系列からの定量というのは時間的に厳しく、標準物質を測定して未知の物質を定性するだけで終わりました。
以上で終了です。改めて試験をすることは無く修了証を頂きました。
修了証を頂いたので、登録講習の実技試験は免除となります。最終的な実技試験を受けていないので何とも言えませんが、本番の2日の登録講習を真面目に受けていれば、実技試験に合格するのは難しくないと思います。自分のお金だったら次は受けないかな・・・という感じです。
※実技基礎講習としてはとても良い内容ですので、機器操作に慣れていない方にはおすすめです。本人の経験と懐事情を加味して決めてください。(参考までに私は化学系の大学を卒業して、20年位化学メーカーに勤めています。分析メインではなく、工程検査やサンプルの純度測定で分析機器を使う程度)
第一種作業環境測定士(特定化学物質)受講
講義
さてここからが本番です。実技基礎講習Cコースは2名でしたが、登録講習は6人に増えていました。内3人は実技基礎講習Cコースを既に受けている方の様で、実際に実技試験を受ける方は1名の様です。
■1日目 ガスクロマトグラフ分析
分析の原理や注意事項を2時間。実際の操作を4時間行いました。
今回は時間があるので、試料を調整、検量線を作成、未知試料の分析、定量を行いレポート作成。
GCは待ち時間が発生するので、空き時間は計算問題を解いて解説頂いてという流れでした。
■2日目 吸光光度分析法
フッ化水素の吸光光度分析法を行いました。実際に標準系列を作って、未知の物質の濃度を定量するという流れです。
特別難しいことは無いのですが、検量線を最小二乗法によって求めるという指示があったので、手計算することで時間がかかりました。
計算式とかは教えて頂けるので、そこは心配しなくていいですが、慎重に行いましょう。最初に躓くと全てやり直しです。
試験
「こんな問題が出た。」という事も書けなくは無いですが、大同分析リサーチの方も公平性を意識して講義されていましたので、ここでは控えます。
きちんと講義を聞いて、練習問題を理解して解けるようにすることで、合格ラインに達するのではないでしょうか。
今回の講習~試験を通して、幾何平均と幾何標準偏差を求めることは1回しかありませんでした。
出来ることに越したことはないので、下記ページで勉強して臨んで頂ければと思います。
大同分析リサーチの良いところ・悪いところ
■良いところ
・昼食付です。毎日仕出し弁当を頂けます。1,000円前後の弁当だと思います。外で食べると昨今の物価高で結構掛かると思います。3日分頂いたのでお金が減りませんでした。
・テキスト付きです。事前に何か購入する必要もありませんし、当日購入する必要もありません。
・先生が親切に教えて頂けます。今回の講習は6人と少なかったのできめ細かな指導を頂きました。
・第一種作業環境測定士(特定化学物質)については試験後即採点頂き、合格していればその場で登録講習の修了証が貰えます。
(これは非常に助かります。合格か判らない中で1週間位を過ごすのは嫌なので・・・。他の登録講習はどうかは判りません。特に二種)
■悪いところ
会社のお金で受講したので特に言う事ではないのですが・・・・・一種の登録講習費用がちょっと高いです。
第一種 登録講習99,000円 実技基礎講習33,000円 (他は東京:登録講習79,200円 大阪:登録講習88,000円 実技基礎講習27,500円など)
第二種 登録講習99,000円 実技基礎講習27,500円 (他は東京:登録講習89,100円 大阪:登録講習99,000円 実技基礎講習27,500円など)
※ただし大同分析リサーチは昼食とテキスト代込みです。
昼食とテキスト代込みなので、単純な比較はできませんが、一種だと東京に比べるとちょっと高いですね。
そうだとしても、もし有機や金属で登録する必要があるなら、自腹だったとしても丁寧に教えて頂いた大同分析リサーチ様に申込しようと思います。(一番近いというのもあります)
※何度も言いますが、他が丁寧ではないという事ではありません。
3日間お世話になりました。