作業環境測定士 令和2年8月 放射性物質
管理人問１次の記述のうち、誤っているものはどれか。
１ 組織・臓器ごとの放射線影響を表す「等価線量」及び全身への放射線影響を表す「実効線量」の単位は、どちらもSv である。
２ 男性の放射線業務従事者の実効線量限度は、５年間につき100 mSv、かつ、１年間につき50 mSv である。
３ 実効線量は、人体の組織・臓器ごとの吸収線量に放射線加重係数を乗じて得られる等価線量に、対応する組織加重係数を乗じた値の総和として与えられる。
４ 周辺線量当量は、均一で単一方向からの平行ビームでICRU 球全体を照射したとき、照射軸上の深さ１ cm における線量当量である。
５ 個人被ばく測定において、１ cm 線量当量は、対応する等価線量の値を超えることがないので、実効線量の評価に際しては安全側の評価となる。
解答
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（５）
【解説】
問２次の記述のうち、誤っているものはどれか。
１ 放射性物質の表面密度は、単位面積当たりの放射能で、単位はBq･cm-２である。
２ 空気中放射能濃度を表す単位は、Bq･cm-３ である。
３ 照射線量は、放射線の照射により物質の単位質量当たりに吸収されたエネルギーで、単位はJ･kg-１ 又はGy である。
４ 放射能は、物質中の原子核が単位時間当たりに壊変する数で、単位はBq である。
５ 作業環境測定等に用いる１ cm 線量当量率を表す単位は、Sv･h-１ である。
解答
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（３）
【解説】
問３次の核種のうち、半減期が最も短いものはどれか。
１ 3H
２ 14C
３ 40K
４ 222Rn
５ 226Ra
解答
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（４）
【解説】
問４放射線に関する次の記述の㋑から㋥に入る語句の組合せとして、正しいものは下のうちどれか。
「エネルギー分解能に優れ、核種同定能力の高い㋑には4000チャンネル程度の波高分析器が必要である。一方、分解能では劣るが、実効原子番号の高い㋺の方が同一体積では計数効率が高い。γ線のスペクトル分析では㋩が不可欠である。また、エネルギーごとの計数効率を求めるためには㋥が必要で、その際はできるだけ測定対象物の形状や組成に近い㋥用標準線源を用いる。｣
解答
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（４）
【解説】
問５次の記述のうち、誤っているものはどれか。
１ 90Sr の壊変核種である90Y からのβ線の空気中における最大飛程は、５ m を超える。
２ 137Cs はβ崩壊により137Ba の励起状態に変わり、662 keV のγ線を放出する。
３ α線などの高速の荷電粒子が物質を電離する際には、二次電子を発生させる。
４ α粒子は人体組織中で数十μm 程度の飛程を持つが、この距離で全エネルギーを失うことから比電離は大きい。
５ 熱中性子線に対しては、水よりも鉛の方が質量当たりの遮へい効果が大きい。
解答
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（５）
【解説】
問６次の崩壊様式をもつ放射性核種から放出される0.441 MeV のγ線（γ１）の数が毎秒7.0 × 10３ であるとき、その核種の放射能の正しい値に最も近いも
のは、下のうちどれか。ただし、励起レベル0.441 MeV からの内部転換電子（ce）の放出率は50 ％であり、γ２とγ３の放出率は等しいものとする。
１ 2.5 × 10３ Bq
２ 1.3 × 10４ Bq
３ 2.3 × 10４ Bq
４ 2.5 × 10４ Bq
５ 1.3 × 10５ Bq
解答
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（４）
【解説】
問７シンチレーション検出器Ⓐとこれらを用いて測定する放射性核種Ⓑの次の組合せのうち、適切でないものはどれか。
解答
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（５）
【解説】
問８試料の放射能を測定する際、計測器の検出効率が25 ％ の測定器を用いて試料及びバックグラウンドをそれぞれ10分間測定した。バックグラウンド計数率
が100 cpm だったとき、検出下限放射能として正しい値に最も近いものは次のうちどれか。
ただし、検出下限計数率は３ √２ σ で与えられるものとし、σ はバックグラウンド計数率の標準偏差である。
１ 0.28 Bq
２ 0.89 Bq
３ 2.8 Bq
４ 13 Bq
５ 54 Bq
解答
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（２）
【解説】
問９放射能測定において、試料の1,000秒間測定で4,900カウント、バックグラウンドの2,000秒間測定で400カウントであるとき、試料の正味計数率の標準偏差の値に最も近いものは次のうちどれか。ただし、これらの測定において測定時間以外の測定条件は同じとする。
１ 0.03 s-１
２ 0.05 s-１
３ 0.07 s-１
４ 0.09 s-１
５ 0.1 s-１
解答
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（３）
【解説】
問１０α線ダストモニタリングに関する次の記述の㋑から㋥のに入る語句の組合せとして、正しいものは下のうちどれか。
「α線ダストモニタリングでは、粒子のもぐり込みを避けるため、㋑ろ紙を用いる。使用する検出器は、全α線放射能計測の場合は㋺、核種同定を行う場合は㋩を用いることが一般的である。また、短半減期のラドン・トロン壊変核種による影響を受ける場合には、試料を密閉したまま４時間以上待って計測を行うか、又は㋥を行うことによってこれらの影響を評価し、その影響を排除する必要がある。」
解答
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（３）
【解説】
問１１トリチウムを含む溶液の放射能濃度測定に最も適した測定器は次のうちどれか。
１ Si 半導体検出器
２ Ge 半導体検出器
３ NaI(Tl)シンチレーション検出器
４ 液体シンチレーション検出器
５ 薄窓型GM 計数管
解答
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（４）
【解説】
問１２γ線核種のスペクトル分析に、関係しないものは次のうちどれか。
１ エネルギー校正
２ ベースライン面積の差し引き
３ 計数効率の評価
４ サムピーク補正
５ プラトー特性の評価
解答
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（５）
【解説】
問１３液体シンチレーション検出器を用いた放射能測定に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
１ 試料の化学成分は計数効率に影響する。
２ 14C のβ線の測定に適している。
３ 一般に、高エネルギーβ線よりも低エネルギーβ線に対して計数効率が高い。
４ 外部γ線標準線源を用いて試料の計数効率を求めることができる。
５ 水溶液試料の放射能測定は、乳化剤を加えた有機シンチレータ溶液に試料を乳化させて行う。
解答
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（３）
【解説】
問１４放射性物質の測定に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
１ ろ過捕集法に用いるろ紙には、0.3 μm の粒子を95 ％ 以上捕集する能力のあるものが用いられる。
２ 表面捕集率とは、測定対象となるβ線の平均飛程以内のろ紙表面部分に捕集された粉じんの、全捕集粉じんに対する割合である。
３ 固体捕集法によるトリチウムの測定には、シリカゲルが吸着剤として用いられる。
４ 放射性ヨウ素の捕集には、活性炭含浸ろ紙、活性炭カートリッジなどが用いられる。
５ 取り扱う核種が明らかで、かつ、複数の場合における放射能濃度の評価は、濃度限度が最も低い核種が全放射能を占めるとしてよい。
解答
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（２）
【解説】
問１５作業環境空気中の放射性物質Ⓐとその捕集材又は捕集器具Ⓑ、及び検出器又は計測器Ⓒの㋑から㋥の組合せのうち、適切なもののみの組合せはどれか。
１ ㋑ ㋺
２ ㋑ ㋥
３ ㋺ ㋩
４ ㋺ ㋥
５ ㋩ ㋥
解答
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（５）
【解説】
問１６作業環境空気中の放射性物質を、水バブラーを用いて168時間採取したとき、環境空気中の放射性物質の濃度は8.0 × 10-２ Bq･cm-３ であった。このときの吸引流量は0.8 L･min-１、水バブラーに用いた捕集水量は90 cm３、水バブラーの水蒸気捕集効率は90 ％ とすると、バブラーの試料水中の放射能濃度として、正しい値に最も近いものは次のうちどれか。
１ 1.1 × 10２ Bq･cm-３
２ 1.9 × 10２ Bq･cm-３
３ 6.5 × 10３ Bq･cm-３
４ 8.0 × 10３ Bq･cm-３
５ 8.1 × 10３ Bq･cm-３
解答
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（３）
【解説】
問１７作業環境空気中のトリチウムの捕集材又は捕集器具Ⓐ、及び検出器又は計測器Ⓑの㋑から㋥の組合せのうち、適切なもののみの組合せはどれか。
１ ㋑ ㋺
２ ㋑ ㋩
３ ㋺ ㋩
４ ㋺ ㋥
５ ㋩ ㋥
解答
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（５）
【解説】
問１８放射性物質を取り扱う作業場において、環境空気中の放射能濃度が、取扱い核種の濃度限度の100分の１を超えないよう管理するために必要な測定装置の検出下限計数率(s-１)の値として、正しい値に最も近いものは次のうちどれか。
なお、取扱い核種の濃度限度は7.0 × 10-６ Bq･cm-３、測定装置の計数効率は35 ％ 、使用する捕集材の捕集効率は100 ％ 、捕集時間は168時間、試料空気の吸引流量は、捕集開始直後に120 L･min-１、捕集終了直前に107 L･min-１であった。ただし、吸引流量は直線的に変化するものとする。
１ 3.8 s-１
２ 28 s-１
３ 110 s-１
４ 230 s-１
５ 910 s-１
解答
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（２）
【解説】
問１９作業環境中の放射性物質の試料採取方式と外部放射線の測定点選択に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
１ ゼネラルサンプリングは、放射性物質取扱室全体についての空気汚染の検出を目的とし、発生源の位置を確認するためのものではない。
２ セントラルサンプリングは、放射性物質取扱室が多数ある場合、サンプリング配管を通じて各室の試料空気を１箇所に集めて採取する方式である。
３ ローカルサンプリングは、局所的に発生する空気汚染の検出及び室内の空気中放射性物質の濃度分布を知ることを目的とする。
４ 管理区域境界の測定において、境界上での測定が困難な場合には、境界における線量当量を下回ることなくこれを推定できる箇所を選択してよい。
５ γ線や中性子線のような外部放射線の測定点を決める際は、作業環境全体をチェックする目的から、前回と異なる測定点を選ぶことが望ましい。
解答
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（５）
【解説】
問２０作業環境空気中のガス状放射性物質の放射能測定に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。
１ ガス捕集用電離箱において、α線の電離効率は、β線の電離効率より低い。
２ 通気型電離箱の検出下限濃度は、電離箱の容積に依存する。
３ ガス捕集用電離箱の動作電圧は、飽和電離電流となるように設定する。
４ 捕集用ガス容器を用いた直接捕集方法による測定では、ガス容器は原則として容積1,000 cm３ 以上のものを用いる。
５ 端窓型GM 計数管を使用したサンプラ型ガスモニタは、β線放出核種の測定に使用される。
解答
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（１）
【解説】
