作業環境測定士 令和1年8月 有機溶剤
問1次の有機溶剤のうち、25 ℃における飽和蒸気圧が最も小さいものはどれか。
1 o-ジクロロベンゼン
2 エチルエーテル
3 メチルエチルケトン
4 メタノール
5 酢酸メチル
解答
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(1)
【解説】
作業環境測定士 有機溶剤 まとめ① 有機溶剤の物性 沸点(蒸気圧) 参照
飽和蒸気圧の問題は飽和蒸気圧を覚える必要は無いです。
飽和蒸気圧が低い→沸点が高い
飽和蒸気圧が高い→沸点が低い
と覚えておいてください。
理屈から覚えようとするならば、「蒸気圧=大気圧になったところが沸点。それならば飽和蒸気圧が最初から高いほうが与えるエネルギーが低くて済む→沸点が低い」となります。
丸覚えするの大変だと思いますが、主要なところは覚えておいたほうがいいです。構造式が思い浮かぶ人は何となく判ります。
①エーテルは沸点低め
②その次はベンゼン環が付いていないもの
③ベンゼン環が付いていると沸点高め
④似たような構造だったら分子量が大きいほうが沸点高い
⑤ハロゲンが付くとそこから少し高くなる(クロロ<ブロモ<ヨード<フルオロ 日本語で書くと塩化<臭化<ヨウ化<フッ化)
⑥硫酸が付くと高いかも(これは特定化学物質用のコメントです)
この問題は簡単ですね。③のベンゼン環が付いていると沸点高め + ⑤ハロゲンが付くとそこから少し高くなる が該当です。
下の表の通り、沸点高め→蒸気圧低めです。多少の入れ替わりがありますが、沸点も蒸気圧も測定するのが難しいので、その辺は気にしないでください。明らかに差がある物質が出題されます。(例外として酢酸イソプロピルとイソプロピルアルコールは沸点、蒸気圧とも酢酸イソプロピルのほうが大きいという問題がたまに出る)

問2有機溶剤に関する次の記述の【 】に入る溶剤名として、適当なものは下のうちどれか。
「【 】は60 ℃で液体であり、その25 ℃における液体の密度は1 g・cm-3より大きい。」
1 クロロベンゼン
2 N,N-ジメチルホルムアミド
3 アセトン
4 二硫化炭素
5 酢酸イソペンチル
解答
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(1)
【解説】
作業環境測定士 有機溶剤 まとめ① 有機溶剤の物性 比重(密度) 参照
クロルと名前が付くものか、二硫化炭素が水よりも比重が高いと考えればよい。(クレゾールもそうだが、多分出題されない)
二硫化炭素は60℃では気体である。

問3次の有機溶剤のうち、極性が最も高いものはどれか。
1 酢酸エチル
2 イソブチルアルコール
3 n-ヘキサン
4 トルエン
5 テトラヒドロフラン
解答
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(2)
【解説】
作業環境測定士 有機溶剤 まとめ① 有機溶剤の物性 極性 参照
大体の極性を表す数字に「比誘電率」というものがあるので、その一覧を載せた。双極子モーメントという数字もあるが、どちらも調べても判らないものもあった。
作業環境測定士の問題としては、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)>アルコール>ケトン(アセトン、メチルエチルケトン)>酢酸〇〇 の順を覚えておけばいいかも?

問4有機溶剤の捕集に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 捕集袋に試料を採取する際に内容積5 L 以上のものを用いる。
2 小型ガス吸収管による試料採取時の空気吸引流量は、1 L・min-1 前後とする。
3 活性炭管に試料を捕集する際に用いる電動ポンプは、活性炭管を接続して流量を調整する。
4 真空捕集びんに試料を採取する際の空気吸引流量は一定ではない。
5 流量計の校正には、基準流量計として、石けん膜流量計を用いることができる。
解答
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(2)
【解説】
(2)小型ガス吸収管は0.1~1.0L程度の試料空気を採取するのに用いる。捕集液を正確に測って3~5ml入れ、100ml/min前後の流量で試料空気を吸引する。
問5有機溶剤の液体捕集法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 試料空気の気泡を細かくすると、捕集率が高まる。
2 試料空気との接触面積を大きくするために、ガラスビーズを入れることがある。
3 捕集液内での気泡の滞留時間が長いほど、捕集率は高くなる。
4 捕集液に溶解させて捕集する場合は、捕集液を加熱すると一般に捕集率を高めることができる。
5 捕集液との化学反応により捕集することがある。
解答
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(4)
【解説】
(4)小型ガス吸収管による有機溶剤など揮発性物質の捕集では、捕集液の温度が高いほど捕集率は小さくなる。
一定の圧力のもとでは、固体の溶解度とは異なり、気体の溶解度は温度が高くなるほど小さくなる。これは、温度が高くなるにつれて、溶質分子の熱運動が激しくなり、溶質分子が溶液中から飛び出しやすくなることが原因である。
問6固体捕集法-ガスクロマトグラフ分析法に関する次の記述の㋑から㋩に入る語句の組合せとして、不適当なものは下のうちどれか。
「環境空気中の㋑は㋺に捕集し、㋩で脱着して得た試料液を、ガスクロマトグラフに導入して定量する。」

解答
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(4)
【解説】
作業環境測定協会発行の「デザイン・サンプリングの実務(上)」の固体捕集法による測定条件」という表を見てください。
ほぼすべての有機溶剤がシリカゲル管と活性炭管の両方が使える。(例外はN,N-ジメチルホルムアミドの捕集はシリカゲル管を使用できない)
一般的にはシリカゲルで捕集した場合は親水性溶媒(純水を含む)、活性炭で捕集した場合は純水以外の溶媒で脱着する。
(4)メタノールを活性炭で捕集した場合は、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)で脱着する。精製水では脱着できない。
問7有機溶剤用の検知管に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 検知管の指示値は、高気圧下では高くなる。
2 検知剤と気体の反応速度は、一般に、温度が高いほど大きくなる。
3 検知管は、作業場所の室温にしてから使用する。
4 検知管は、担体粒子にコーティングした検知試薬と対象物質との化学反応を利用している。
5 検知管の指示値は、温度補正をする必要はない。
解答
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(5)
【解説】
(1)高気圧だと空気が収縮して有害物質の濃度が濃くなるから高くなる
(2)(3)(5)検知管は基本的に室温で用いることを想定して校正されているため、室温以下の状態の冷えたまま、室温の対象ガスを測定すると正しい測定結果が得られない。そのため、対象ガスの温度に検知管がなじんでから測定する。
検知管は種類によっては、温度の変化による物理的吸着力の変化や反応速度の変化などにより、指示値に影響を受けるものがあり、補正係数または補正表を用いて温度補正が必要となる場合がある。検知管の取扱説明書に記載されている温度の影響について確認のうえ、適宜補正する。
これは例です。

温度が高い(=気体の運動が激しい)と実際の濃度よりも高く示し、温度が低い(=気体の運動が緩やか)と実際の濃度よりも低く示すことを表している。
問8ガスクロマトグラフ分析法の定量下限を求める次の手順のうち、誤っているものはどれか。
1 標準液を調製し、検量線を作成する。
2 管理濃度の1/10倍の標準ガスを捕集して得られる最終試料液濃度になるように調整した標準試料を調製する。
3 標準試料を5回繰り返し分析し、濃度を検量線から求める。
4 標準試料の測定濃度から標準偏差を求める。
5 標準偏差の3倍に相当する濃度を定量下限とする。
解答
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(5)
【解説】
作業環境測定士 有機溶剤 まとめ② ガスクロマトグラフ 定量下限の求め方 参照
【ガスクロマトグラフの定量下限の求め方】
① 標準液を調整し、検量線を作成する
② 管理濃度の1/10の濃度に相当する標準試料ガス又は測定対象物質を各分析法に適した捕集・前処理を行う
③ その標準試料を繰り返し5回以上分析する
④ 分析結果の標準偏差(3σ)の3倍を検出下限、10倍(10σ)を定量下限とする
(5)3倍に相当する量は検出下限である。10倍が定量下限である
問9ガスクロマトグラフ分析法に用いる水素炎イオン化検出器(FID)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 水素炎中で燃焼し、イオン化する物質の測定に適している。
2 炭化水素の分析に適している。
3 二硫化炭素に対する感度は低い。
4 脂肪族炭化水素の同族体でのイオン発生量は、化合物中の炭素数にほぼ比例する。
5 応答直線範囲は、電子捕獲検出器(ECD)より狭い。
解答
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(5)
【解説】
作業環境測定士 有機溶剤 まとめ② ガスクロマトグラフ 検出器 参照
(5)応答直線範囲は、電子捕獲検出器(ECD)より広い。

問10ガスクロマトグラフ分析法のキャリアガスに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 検出器の感度は、キャリアガス流量の影響を受ける。
2 保持時間は、キャリアガスの線速度にほぼ反比例する。
3 カラムの理論段数は、キャリアガスの種類による影響を受けない。
4 キャリアガスには、ヘリウム、窒素、水素などが用いられる。
5 電子捕獲検出器(ECD)を用いる場合は、キャリアガスとしてアルゴンを用いることができる。
解答
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(3)
【解説】
環境測定士 有機溶剤 まとめ② ガスクロマトグラフ キャリアガス 参照
(3) カラムの理論段数は、キャリアガスの種類による影響を受ける
【検出器にとって適当なキャリアガスの種類と必要な流量】(公)日本作業環境測定協会 作業環境測定士のための機器分析の実務より

問11ガスクロマトグラフ分析法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 理論段数はカラムの長さ、内径、温度、キャリアガスの流速によって変化する。
2 カラムの長さが2倍になると、保持時間及び理論段数は共に約2倍になる。
3 保持時間が同一の場合、理論段数が大きいほどピーク幅は狭くなり、カラム効率が良い。
4 ピークの幅の広がりには、カラム内での渦流拡散及びキャリアガスの線速度が関係する。
5 充塡カラムでは渦流拡散が小さく、キャリアガスの種類による分離度の差が大きい。
解答
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(5)
【解説】
作業環境測定士 有機溶剤 まとめ② ガスクロマトグラフ 理論段数 参照
(3)理論段数の式から、理論段数が大きいという事はtRが大きいか、wが小さいという事である。今回はtRが同じなのでwは小さくなる。
(5)キャピラリーカラムは充填カラム(パックドカラム)のように充填物がなく、サンプルが様々な経路を経ることで拡散することがないのでシャープなピークが得られます。(下図は経路の例)


問12同族化合物の複数成分を含む試料を分析する際、ガスクロマトグラフの温度設定に関する次の記述の㋑から㋩に入る語句の組合せとして、正しいものは下のうちどれか。
「カラム温度は分析対象物質の沸点を基にして決められるが、カラム温度が㋑ほど試料成分の保持時間が㋺なり、試料成分の分離は㋩なる。」

解答
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(3)
【解説】
作業環境測定士 有機溶剤 まとめ② ガスクロマトグラフ 分離度 参照
カラム温度を低くすると、成分の分子運動が緩やかになり、固定相中での保持時間は長くなる効果が生ずる。この結果、保持時聞が延長される。
全体的に保持時間が長くなるので、ピーク間も長くなり分離が良くなるということになる。
実際には試料成分が完全に分離され、かつ分析時間ができるだけ短くなるようにカラム温度(恒温槽の温度)を設定することになる。
問13ガスクロマトグラフ分析法のキャピラリカラムに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 キャピラリカラムの内径は、0.1 ~ 0.8 mm 程度である。
2 キャピラリカラムの材質には、一般に溶融石英ガラスが使用されている。
3 市販のキャピラリカラムの多くは、液相を内壁に化学結合させている。
4 キャピラリカラムでは、充塡カラムと比較して、試料負荷量を多くできる。
5 キャピラリカラムでは、充塡カラムと比較して、液相のブリーディングが少ない。
解答
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(4)
【解説】
作業環境測定士 有機溶剤 まとめ② ガスクロマトグラフ カラム 参照
(4)充塡カラムのほうが試料負荷量を多くできる
(5)ブリーディングとは、固定相液体が加熱により気化し、カラムから徐々に流出するこの現象である。現在はほとんどの市販キャピラリーカラムは液相を壁面に化学結合させたもの(ケミカルボンディング)である。そのために液膜の耐熱性が向上し、高温まで使用できるようになった。
【充填カラムとキャピラリーカラムの比較】

問14ガスクロマトグラム上にあるピークの保持時間に相当する長さが200 mm、ピーク幅が8.0 mm であった。このピークについて計算した理論段相当高さ(単位段数当たりのカラムの長さ)は1.0 mm であった。使用したこのカラムの長さとして、正しい値は次のうちどれか。
1 5 m
2 10 m
3 15 m
4 20 m
5 25 m
解答
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(2)
【解説】
作業環境測定士 有機溶剤 まとめ② ガスクロマトグラフ 理論段数 参照
理論段数N=(4×200/8.0)2 =10,000
ℓ= H×N に代入 ℓ=0.1×10-3×10,000=10

問15吸光光度分析法に関する次の記述の㋑から㋩に入る語句の組合せとして、正しいものは下のうちどれか。
「紫外部の250 nm において吸光度を測定する場合、光源には㋑を使用し、光源からの光を㋺によって単色光とした後、㋩に入れた試料液を透過させる。」

解答
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(2)
【解説】
光源:重水素放電管は185~360nm、タングステンは340~1,100nm
分光:モノクロメーターは単色計とも言われ、回折格子やプリズムなどの分散素子で分散させた光の中から、ある特定の波長の光のみをスリットで取り出す装置のことである。
セル:石英セルは短波長~長波長の測定に使用できるが、ガラスセルは短波長を吸収してしまうため、おおよそ350nm以下では使用できない。今回は250nmなので石英セルを使用する。
問16吸光光度分析法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 分析に用いる波長範囲は、通常200 ~ 1000 nm である。
2 検出器として、光電子増倍管が用いられる。
3 プラスチック製セルは、可視領域の測定に用いられる。
4 使用する溶媒は、試料の溶解性の高いものを用いる。
5 透過率(%)は、対象物質の試料液中の濃度に反比例する。
解答
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(5)
【解説】
作業環境測定士 有機溶剤 まとめ③ ランベルト・ベールの法則 参照
(5)比例とはy=ax(aは比例定数) 反比例とはy=a/xで表せる関数のことである。
吸光度は濃度や光路長に比例するが、透過率は比例、反比例関係にはならない。濃度が濃くなると透過率は指数関数的に減少する。
イメージとしては下記のようなグラフになる。


問17吸光光度分析法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 吸光度は、対象物質の試料液中の濃度と液層の長さの積に比例する。
2 吸光度の測定は、吸光度が0.2 ~ 0.8 程度で行うことが望ましい。
3 可視部の吸光度の測定には、石英製のセルを用いることができる。
4 吸収極大波長やモル吸光係数は、pH や溶媒の種類に関わらず、一定である。
5 着色液は、時間の経過とともに退色することがある。
解答
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↓
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(4)
【解説】
(4)吸収極大波長や吸光度は、pH や呈色後の時間などにより変わることがある
問18環境空気中のn-ヘキサンを真空捕集びんに捕集した。この試料ガス中のn-ヘキサンを定量するために、n-ヘキサン1.8 mL を含む二硫化炭素溶液50mL から3.0 μL をマイクロシリンジで採取し、清浄空気の入っている1.0 Lの真空捕集びん中に完全に蒸発させ、標準ガスを作成した。試料ガス及び標準ガスを同一条件でガスクロマトグラフ分析したところ、試料ガスのピーク面積は、標準ガスのピーク面積の1/2であった。環境空気中のn-ヘキサン濃度として、正しい値に最も近いものは次のうちどれか。
ただし、n-ヘキサン(液体)の密度を0.66 g・cm-3、モル質量を86 g・mol-1とする。また、真空捕集びんの中は、25 ℃、1気圧とする。
1 5 ppm
2 10 ppm
3 15 ppm
4 20 ppm
5 25 ppm
解答
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↓
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(2)
【解説】
まずは標準ガスの濃度を計算する。
n-ヘキサンは(1.8mL/50mLより)3.6体積%である。3.0μLをマイクロシリンジで採取したので実質0.108μL(3.0×0.036)採取したことになる。
重量は0.108μL×660g/L=71.3μg (1,000㎝3=L)
これを1Lで希釈したので71.3μg/Lが濃度となる。m3に変換すると。71.3㎎/m3 となる。(1,000L=m3)
これをppmに変換する (71.3/86) × 24.4 = 20.2ppm
これの1/2が測定値なので(20.2/2)= 10.1ppm
下記の問題が近いです。

問19有機溶剤Aの空気中濃度を吸光光度分析法で測定した。ミゼットインピンジャーに捕集液10.0 mL を入れ、流量1.0 L・min-1 で試料空気を10分間吸引した。この捕集液のうちの4.0 mL をとり、発色試薬1.0 mL を加えて測定し、吸光度0.30 を得た。一方、Aの濃度が10 μg・mL-1 の標準液4.0 mL に発色試薬1.0 mL を加え、測定したところ吸光度0.54 を得た。有機溶剤Aの空気中濃度として、正しい値に最も近いものは次のうちどれか。
なお、捕集前後で捕集液の体積は変化しないものとし、捕集率は100%とし、Aのモル質量を90 g・mol-1 とする。また、25 ℃、1気圧下とする。
1 1.5 ppm
2 2.5 ppm
3 3.5 ppm
4 4.5 ppm
5 5.5 ppm
解答
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↓
↓
↓
↓
↓
(1)
【解説】
この問題はどちらも4.0mL採取して発色液を1.0mL加えている。比例計算をするのでその操作については無視してもよい。
捕集液の濃度を計算する。 0.30:0.54=x:10(μg/mL) x=5.5(μg/mL)
この捕集液は10.0mLなので、捕集された有機溶剤Aは 5.5(μg/mL) ×10(mL) =55μg
吸引した空気の量は 1(L/min) × 10(min) =10L
従って空気中の濃度は 5.5μg/Lとなる。これをmg/m3に直すと5.5㎎/m3となる。
ppmに直す必要があるので、公式に当てはめて変換する。
(5.5㎎/m3 / 90) ×24.4 = 1.5ppm
これも下記の問題が近いです。

問20有機溶剤の標準液の調製に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 使用する試薬及び溶媒はあらかじめ室温にしておく。
2 試薬はできる限りすばやく秤量する。
3 秤量容器としては、小型ビーカーを使用する。
4 容器はあらかじめ洗浄、乾燥する。
5 試薬の純度や溶媒のブランクを把握する。
解答
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(3)
【解説】
作業環境測定士 有機溶剤 まとめ② ガスクロマトグラフ 標準液・検量線 参照
(3)秤量容器としては、メスフラスコを使用する