作業環境測定士 令和6年8月 労働衛生一般
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問1リスクアセスメントに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。ただし、指針とは、厚生労働省の「化学物質等による危険性又は有害性等の調査等に関する指針」をいう。
(1) 厚生労働省版コントロールバンディングでは、液体である化学物質を取り扱う作業については、化学物質の有害性、揮発性・飛散性及び取扱量の3つの要素によって化学物質のランク及びリスクレベルが表示され、リスクレベルに応じたリスク低減措置が決定される。
(2) CREATE – SIMPLE(クリエイト・シンプル)は、あらゆる業種に向けたリスクアセスメント支援ツールで、吸入ばく露に加えて、経皮ばく露を考慮したリスク評価を行うことができる。
(3) 指針では、リスクアセスメントの実施時期として、リスクアセスメント実施体制に変更があったとき、総括安全衛生管理者、衛生管理者、化学物質管理者等に異動があったとき、があげられている。
(4) 指針では、健康障害に係るリスクを見積もる方法として、発生可能性及び重篤度を一定の尺度によりそれぞれ数値化し、それらを加算又は乗算等する方法、があげられている。
(5) 指針では、リスク低減措置の検討において、より優先順位の高い措置を実施すれば十分にリスクが低減される場合には、その措置よりも優先順位の低い措置の検討は必要ない、とされている。
解答
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(3)
【解説】
作業環境測定士 労働衛生一般 まとめ① 化学物質等による危険性又は有害性等の調査等に関する指針 参照
(1)
コントロールバンディングとは(厚生労働省HPより)
化学物質の健康有害性についての簡易なリスクアセスメント手法として、「コントロール・バンディング」があります。 これは、ILO(国際労働機関)が、開発途上国の中小企業を対象に、有害性のある化学物質から労働者の健康を保護するために、簡単で実用的なリスクアセスメント手法を取り入れて開発した化学物質の管理手法です。
厚生労働省版コントロール・バンディングは、この手法をわが国で簡易的に利用できるようにウェブシステムとして開発されたものです。
【液体または粉体を扱う作業(鉱物性粉じん、金属粉じん等を生ずる作業を除く。)】と【鉱物性粉じん、金属粉じん等の生ずる作業】の2つのシステムがあり、次のような特徴があります。
特徴
労働者の化学物質へのばく露濃度等を測定しなくても使用できる。
許容濃度等、化学物質のばく露限界値がなくても使用できる(粉じん等が生ずる作業は値設定が必要)。
化学物質の有害性情報は必要。
手法
作業条件等の必要な情報を入力すると、化学物質の有害性とばく露情報の組み合わせに基づいてリスクを評価し、必要な管理対策の区分(バンド)が示される。
バンドに応じた実施すべき対策及び参考となる対策シートが得られる。
(2)
CREATE-SIMPLE(Chemical Risk Easy Assessment Tool, Edited for Service Industry and MultiPLE workplaces;クリエイト・シンプル)とは(厚生労働省HPより)
サービス業などを含め、あらゆる業種にむけた簡単な化学物質リスクアセスメントツールです。
ばく露限界値(またはGHS区分情報に基づく管理目標濃度)と化学物質の取扱い条件等から推定したばく露濃度を比較する方法となっています。英国安全衛生庁(HSE)が作成した、HSE COSHH essentialsなどに基づく、リスクアセスメント手法における考え方を踏まえた、大量(数kL、数トン)の化学物質取扱事業者から極少量(数ml、数g)の化学物質を取扱う事業者まで、業種を問わず幅広い事業者が使用可能な簡易なリスクアセスメント支援ツールです。
また新機能として、米国NIOSHの手法などを踏まえたばく露限界値から算出した経皮ばく露限界値と取扱条件等から算出した経皮吸収量を比較する方法により、経皮吸収による有害性のリスクを見積もるとともに、GHS区分情報と取扱条件(着火源の有無等)から取扱物質の危険性についてもリスクを見積もる機能を追加した画期的な簡易なリスクアセスメント支援ツールです。
特徴
労働者の化学物質へのばく露濃度等を測定しなくても使用できる。
大量(数kL、数トン)から極少量(数mL、数g)まで幅広い化学物質取扱量に対応
選択肢から回答を選ぶだけで、簡単にリスクを見積もることが可能。
リスク低減措置の検討も支援しており、どこを改善すればリスクが下がるかが確認可能。
厚生労働省版コントロール・バンディングでは考慮していない作業条件(換気や作業時間、作業頻度など)の効果も反映。
吸入による有害性リスクだけではなく、経皮吸収による有害性リスクや危険性についてもリスクの見積もりが可能
(3)そのような定めは無い。(2)-イに近いことが書いてあるが、労働者の入れ替わり等とされている。
●リスクアセスメントの実施時期
(1) 事業者は、安衛則第 34 条の2の7第1項に基づき、次のアからウまでに掲げる時期にリスクアセスメントを行うものとする。(義務)
ア 化学物質等を原材料等として新規に採用し、又は変更するとき。
イ 化学物質等を製造し、又は取り扱う業務に係る作業の方法又は手順を新規に採用し、又は変更するとき。
ウ 化学物質等による危険性又は有害性等について変化が生じ、又は生ずるおそれがあるとき。具体的には、化学物質等の譲渡又は提供を受けた後に、当該化学物質等を譲渡し、又は提供した者が当該化学物質等に係る安全データシート(以下「SDS」という。)の危険性又は有害性に係る情報を変更し、その内容が事業者に提供された場合等が含まれること。
(2) 事業者は、(1)のほか、次のアからウまでに掲げる場合にもリスクアセスメントを行うよう努めること。(努力義務)
ア 化学物質等に係る労働災害が発生した場合であって、過去のリスクアセスメント等の内容に問題がある場合
イ 前回のリスクアセスメント等から一定の期間が経過し、化学物質等に係る機械設備等の経年による劣化、労働者の入れ替わり等に伴う労働者の安全衛生に係る知識経験の変化、新たな安全衛生に係る知見の集積等があった場合
ウ 既に製造し、又は取り扱っていた物質がリスクアセスメントの対象物質として新たに追加された場合など、当該化学物質等を製造し、又は取り扱う業務について過去にリスクアセスメント等を実施したことがない場合
(4)数値化法のことである(まとめページ参照)
問2「化学品の分類および表示に関する世界調和システム(GHS)」で定められた危険有害性クラスⒶとその内容を表す絵表示Ⓑとの次の組合せのうち、誤っているものはどれか。ただし、絵表示の枠は赤色とする。
解答
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(4)
【解説】
作業環境測定士 労働衛生一般 まとめ① 化学品の分類および表示に関する世界調和システム(GHS) 参照
(4)どくろは急性毒性
問3化学物質による健康影響等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1) 量-影響関係とは、個体について、有害物質へのばく露量と、ある生体影響の大きさとの関係を示したものである。
(2) 無影響量(NOEL)とは、毒性試験において影響が認められなかった最高のばく露量をいう。
(3) 最小影響量(LOEL)とは、毒性試験において何らかの影響が認められた最低のばく露量をいう。
(4) 半数致死濃度(LC50 )とは、短時間の吸入ばく露で一群の実験動物の50 %を死亡させると予想される濃度である。
(5) 変異原性試験は、化学物質による胎児期の臓器・組織形成への影響を見るためのものである。
解答
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(5)
【解説】
作業環境測定士 労働衛生一般 まとめ① 化学物質と健康障害 参照
(1)量ー影響関係と量ー反応関係はよく出題されている。
・量— 影響関係とは、個体について、有害物質へのばく露量と、ある生体影響の大きさとの関係を示したものである。
・ 量— 反応関係とは、集団について、有害物質へのばく露量と、ある生体影響を表す個体の割合との関係を示したものである。
シックハウス(室内空気汚染)問題に関する検討会 資料2013年3月6日 北里大学医学部衛生学 角田正史 より引用
(5)変異原性試験は、試験物質が細胞のDNAに対して傷害作用により、突然変異を起こすかどうか確認する試験である。
化学物質が妊娠中の器官形成期の胎児に及ぼす影響、特に奇形の発生について確認するのは、催奇形性である。
問4化学物質の代謝等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1) エチルベンゼンは、代謝されて、尿中にマンデル酸として排泄される。
(2) n – ヘキサンの生物学的モニタリング指標は、尿中のn – ヘキサノールである。
(3) 1,1,1-トリクロロエタン、トリクロロエチレン及びテトラクロロエチレンの生物学的モニタリング指標は、いずれも、尿中のトリクロロ酢酸又は総三塩化物である。
(4) カドミウムの生物学的モニタリング指標として、血液中のカドミウムの量がある。
(5) 化学物質の生物学的半減期は、体内に取り込まれた有害物の量が半分に減少するまでに要する時間である。
解答
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(2)
【解説】
作業環境測定士 労働衛生一般 まとめ① 化学物質と代謝物 参照
代謝物の問題は同じ問題が繰り返し使用されることがあるので、まとめの一覧を覚えておくと絞り込みやすくなる。
(2)n- ヘキサンの代謝物は尿中の2,5-へキサンジオンである。過去にも出題されている。
問5化学物質等の性状及び挙動に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1) 岩石を切断や研磨した際に生じる粉じんの遊離けい酸含有率を知るためには、もとの岩石の遊離けい酸含有率を測定する。
(2) 粒子状物質の空気中での沈降速度は、粒径の2乗に比例する。
(3) めっきや充電などの電解を伴う工程では、ミストが発生することが多い。
(4) 1,4- ジオキサンは、脂溶性と水溶性をともに有している。
(5) クロロホルムの極性は、四塩化炭素の極性より大きい。
解答
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(1)
【解説】
作業環境測定士 労働衛生一般 まとめ② 粉じんと健康障害 参照
作業環境測定士 労働衛生一般 まとめ④ 化学物質の性質・性状 を参照
(1)同一鉱物でも遊離けい酸の存在は均一ではないので、粒径(というよりもそれぞれの粒)によって遊離けい酸の含有率は異なる。そのため実際に浮遊している粉じんや堆積している粉じんの遊離けい酸を測定する。
(2)沈降速度(U)は空気力学相当径(D)の2条に比例する。 U(沈降速度:mm/sec) = 0.03 × D2
(5)下の構造式を見ればわかる通り、単純な正四面体分子の四塩化炭素は無極性である。
問6化学物質等による健康障害等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1) 一酸化炭素は、赤血球中のヘモグロビンと強く結合し、体内組織の酸素欠乏状態を起こす。
(2) 二酸化炭素は、気中濃度が3 %程度になると呼吸数の増加、脈拍や血圧の上昇が起こり、10 %以上では数分間で意識不明となり、致命的となる。
(3) 二酸化窒素による急性中毒では、粘膜刺激症状がみられ、慢性中毒では、歯牙酸蝕症、慢性気管支炎、胃腸障害などがみられる。
(4) 窒素は、空気の約8割を占める無色、無臭の気体であるが、圧気作業や潜水作業などで高分圧の窒素を吸入すると、窒素酔いと言われる飲酒時と似た症状を呈する。
(5) ガスや蒸気である有害物質のうち、水への溶解度が高いものは、吸入すると肺胞まで到達しやすい。
解答
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(5)
【解説】
作業環境測定士 労働衛生一般 まとめ① 化学物質と健康障害 参照
(1)~(4)は何度も出題されている問題ですので、この問題は取りこぼしたくないですね。まとめに書いてあります。
(5)水への溶解度が高い有害物質は吸い込むとすぐに口、鼻、のどに炎症を起こす。ガスを深く吸い込んだ場合、肺の奥深い部分に損傷を受けるが、肺胞まで到達しやすいというのは誤り。
問7化学物質Ⓐとそれによって生じる主要ながんⒷとの次の組合せのうち、誤っているものはどれか。
解答
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(2)
【解説】
作業環境測定士 労働衛生一般 まとめ② 化学物質とがん 参照
(2)o-フタロジニトリル(オルト-フタロジニトリル)はてんかんのような症状が発生するが、発がん性は確認されていない。
この年の労働衛生一般は難しかったという声がありますが、今回の化学物質とがんは、過去に出題されていない物質だったというのもあるかもしれません。
問8粉じんによる健康障害に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1) じん肺は、粉じんを吸入することによって肺に生じた線維増殖性変化を主体とする疾病で、その種類には、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、間質性肺炎などが含まれる。
(2) 結晶質シリカを主たる原因として発症するじん肺をけい肺、石綿を主たる原因として発症するじん肺を石綿肺という。
(3) 遊離けい酸は、肺の線維化を起こす作用が強い。
(4) じん肺の合併症としては、肺結核、結核性胸膜炎、続発性気管支炎などがある。
(5) じん肺は、ある程度進行すると、粉じんへのばく露を中止しても、更に肺の線維化が進行することがある。
解答
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(1)
【解説】
作業環境測定士 労働衛生一般 まとめ② 粉じんと健康障害 参照
この問題は私には難しかったのですが、衛生管理者試験の頻出問題のようです。
(1)じん肺の定義は、「粉じんを吸入することによつて肺に生じた線維増殖性変化を主体とする疾病(じん肺法2条)」である。従って前半部分は正しい。けい肺や石綿肺が該当する。
間質性肺炎は、肺胞壁や支持組織から成る間質に生じる原因不明の炎症である。
慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease:COPD)は、主にタバコの煙など、有害物質が含まれる空気を長期間にわたって吸い込むことで発症する。
有害物質の刺激によって空気の通り道である気管支や酸素を取り込む働きをする肺胞に炎症が起こり、肺の機能に障害が生じる進行性の疾患である。
問9金属等及びその化合物による健康障害に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1) インジウム化合物は、間質性肺炎を引き起こすほか、ヒトに対しておそらく発がん性があると考えられている。
(2) クロム酸及び三酸化ヒ素は、いずれも鼻中隔穿孔を引き起こす。
(3) 無機水銀は、気道からのほか消化管からも吸収され、腎機能障害を引き起こし、血尿、蛋白尿、無尿などを発症する。
(4) 鉛中毒では、ヘモグロビンの構成要素であるヘムの合成に関与する酵素の阻害による貧血、伸筋麻痺による垂れ手、腎機能障害などが生じる。
(5) 金属熱は、亜鉛や銅などのヒュームを吸入して発生する疾病で、悪寒や発熱、関節痛などの症状がみられ、記憶障害や脱力感などの後遺症が出ることが多い。
解答
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(5)
【解説】
作業環境測定士 労働衛生一般 まとめ② 金属と健康障害 参照
(5)金属熱・・・亜鉛や銅のヒュームや酸化亜鉛などを吸入して数時間後に、関節痛・悪寒・発熱などの症状を発症し、数時間後に発汗とともに解熱し、多少の疲労感を残して回復する。後遺症が出ることは少ない。
問10有機溶剤の性質及び人体への影響に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1) ハロゲン化されている有機溶剤は、一般に肝臓に対する毒性が強い。
(2) 1,2-ジクロロプロパンは、肝臓及び腎臓に障害を生じるほか、長期間の高濃度ばく露により胆管がんを発症すると考えられている。
(3)アセトンなど水溶性を有する有機溶剤は、皮膚や粘膜から吸収されやすい。
(4) トルエンの密度は水より大きく、また、その蒸気密度は空気より大きく、低いところにたまりやすい。
(5) 二硫化炭素は、ヒトに対して生殖毒性を示すことが知られている。
解答
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(4)
【解説】
作業環境測定士 労働衛生一般 まとめ① 化学物質と健康障害 参照
作業環境測定士 労働衛生一般 まとめ① 化学物質と代謝物 参照
作業環境測定士 労働衛生一般 まとめ④ 化学物質の性質・性状 を参照
(1)ハロゲン系有機溶剤の利点は溶解性が高く、引火点が低いことである。そのために工業的には多く使われてきた。しかし人体や環境への影響が大きいために別の溶剤に置き換えが進んでいる。
(4)トルエンの密度は水よりも小さいので誤り。後半部分の「その蒸気密度は空気より大きく、低いところにたまりやすい。」は正しい。
炭化水素系の有機溶剤の密度は一般的に水よりも小さい。ここにハロゲン(クロロ、ブロモ、フルオロ)が付くと水より密度が大きくなることが多い。
(5)女性ばく露作業者における月経、妊娠への影響が報告されているが、一方、男性ばく露作業者では二硫化炭素による生殖毒性は報告されていない。(私も知りませんでしたが、消去法で4番が×ですね)
問11暑熱又は寒冷の環境及びその人体への影響等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1) 高温状態では、脳に血液を十分に送ることができず、一時的な脳虚血による立ちくらみを起こすことがあり、これを熱失神という。
(2) 熱中症が重症になると、大量の発汗により体温が著しく下がることが多い。
(3) 体温は、代謝によって生じる産熱と、人体と外部環境の温度差に基づく放熱のバランスによって一定に保たれている。
(4) 凍瘡とは、しもやけのことで、低温の環境下において、手足の末梢部に発生しやすい。
(5) 長時間の低温ばく露により、腰痛症を生じることがある。
解答
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(2)
【解説】
作業環境測定士 労働衛生一般 まとめ③ 暑さ指数(WBGT)について ~ 熱中症の症状について を参照
(2)熱中症が重症になると発汗と皮膚血管拡張ができなくなり、体温が.過度(40℃以上)に上昇する。
問12振動に対するばく露量を示す指標である日振動ばく露量A(8)を表す式として、正しいものは次のうちどれか。
ただし、周波数補正振動加速度実効値の3軸合成値をahv、1日の振動ばく露時間をT とする。
解答
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(1)
【解説】
振動の影響を評価する「日振動ばく露量」の計算式は基本なので覚えておいてください。
問13騒音等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1) 下のグラフは、周波数重み付け特性を示したものであるが、このうち、周波数重み付け特性A を表すのは㋩である。
(2) 等価騒音レベルの測定では、騒音計の周波数重み付け特性A を用いて行う測定をA 測定、周波数重み付け特性C を用いて行う測定をC 測定という。
(3) 騒音のA 測定の評価では、A 測定の測定値のうち、80 dB未満の測定値は含めず、A 測定の測定値を算術平均して、A 測定平均値を求める。
(4) 騒音性難聴は、音を神経に伝達する内耳の蝸牛の中の有毛細胞が変性することにより起こる感音性難聴である。
(5) 超音波は、可聴周波数域を超える高い周波数の音であり、超音波溶着機の作業者などに、圧迫感、不快感、頭痛、吐き気などが出ることがある。
解答
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(2)
【解説】
(1)
A特性(青色)・・・騒音を測定する際に用いる評価方法。人間の耳にどれだけ聞こえやすいかを考慮し、音圧レベルに補正をかけて騒音か否かを判定する。
C特性(緑色)・・・人間の聞き取りやすさを考慮せず、大きな音の騒音レベルを把握する目的で使用される評価方法。補正の範囲はA特性よりも小さく、平坦な重みづけをして騒音測定を行う。
Z特性(紫色)・・・重みづけを行わず純粋に音圧レベルを測定したもので「Flat(フラット)特性」とも呼ばれている。聞こえやすさや聞こえづらさを考慮せず、実際にどれほど大きな音が出ているかを測定するために用いられる評価方法です。
B特性やD特性は最近は使用されていない。C特性も最近使われなくなりつつある。
(2)等価騒音レベルの測定にはC測定というものはない。
(3)上記表の備考2を参照
問14酸素欠乏症及び硫化水素中毒に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1) 酸素欠乏症の症状は、酸素を大量に必要とする大脳皮質の機能低下から始まる。
(2) 第一鉄化合物の含有量が多い水が流入している排水暗渠やマンホール内の空気は、酸素欠乏状態になっていることがある。
(3) 硫化水素を含む汚水や汚泥の中に閉じ込められていた硫化水素が、作業により作業環境中に放出され、硫化水素中毒を生じることがある。
(4) 硫化水素に100 ppmを超える濃度で連続ばく露されると、気管支炎から肺炎、肺水腫に至り、呼吸困難となって死亡することがある。
(5) 硫化水素による慢性中毒では、歯への黄色の色素沈着、歯牙酸蝕症などがみられる。
解答
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(5)
【解説】
作業環境測定士 労働衛生一般 まとめ③ 酸素欠乏症と硫化水素中毒 を参照
酸素欠乏等危険場所は労働安全衛生法施行令 別表6に定められている。
そのうち硫化水素の発生があるとされているのは③の3と⑨である。
(5) 硫化水素による慢性中毒では、血膜炎、しゅうめい(光線恐怖症)、角膜水泡、催涙、痛み、目のかすみが起きる。歯への黄色の色素沈着、歯牙酸蝕症などは起きない。
二硫化硫黄は歯への黄色の色素沈着、歯牙酸蝕症などが起きる。
問15電磁波に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1) 可視光のうち、青色の光の波長は黄色の光の波長より短い。
(2) 赤外線は、波長の長さにより、短い順から、近赤外線、中赤外線、遠赤外線に分類することがあるが、白内障に関連するのは、短波長域のものとされている。
(3) 吸光光度分析では、可視から紫外領域の波長の光が利用されるが、作業環境測定で使われるのは、通常、紫外領域の波長の光である。
(4) マイクロ波は電子レンジや携帯電話に利用され、強力なマイクロ波にばく露されると組織壊死や熱傷を起こすことがある。
(5) レーザー光は、粉じん濃度の測定に用いる光散乱方式の相対濃度計の光源として用いられている。
解答
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(3)
【解説】
(3)吸光度測定に用いられる光の波長範囲は,可視部(400〜800 nm)が一般的。
問16電離放射線に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1) 電離放射線は、電磁波と粒子線に大別され、X 線やγ 線は電磁波、α 線、β 線、中性子線は粒子線である。
(2) α 線、β 線及びγ 線の中で、透過力が最も弱いものはα 線である。
(3) ガスクロマトグラフの検出器であるECD は、コバルト60 から放出されるβ 線を利用したものが一般的である。
(4)白血病は、晩発障害に分類される確率的影響で、しきい値がなく、被ばく線量の増加に伴って発生率が増加する。
(5) 皮膚と神経を比べると、皮膚の方が放射線感受性が高い。
解答
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(3)
【解説】
図は環境省のHPからの引用です
(1)
(2)
(3)ECD検出器は、β線を放出する放射線同位元素(ニッケル63)が封入されている密封放射性同位元素装備機器である。(難しい・・・消去法で頑張ってください)
(4)
問17局所排気装置等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1) ドラフトチェンバー型フードは、囲い式フードに分類される。
(2) フードの開口部の周囲にフランジがあると、フランジがないときに比べ、大きな排風量が必要となる。
(3) 囲い式フードの制御風速とは、フード開口面における最小風速をいう。
(4) ダクトの形状には、円形、角形などがあるが、その断面積を大きくすると、ダクトの圧力損失は減少する。
(5) 空気清浄装置を付設する局所排気装置では、一般に、排風機は空気清浄装置の後に設ける。
解答
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(2)
【解説】
作業環境測定士 労働衛生一般 まとめ④ 局所排気装置 を参照
(2)フランジとは下記の通りで、フランジがあるほうが排風量が少なく済む。
局所排気の円筒の出口に付けたツバのようなもののことです。フランジがあることで、同じ風速を出そうとしたとき、風量を25%節約できると言われています。それはフランジの裏側の空気を吸わないことによります。下の図を見ていただけるとイメージしやすいと思います。
(4)ストローで吸うことをイメージするとわかり易い。細いストローは吸うのが辛い(圧力損失が大きい)し、搬送速度は速い。その逆のことである。
(5)排風機に異物が入らないように、排風機の前に空気清浄装置を置く
問18労働衛生保護具に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1) オイルミストが混在する場合に使用できる取替え式防じんマスクの性能区分には、RL1、RL2 及びRL3 があり、このうち、粒子捕集効率が最も大きいのはRL3 である。
(2) 送気マスクは、酸素濃度が18 % 未満の空気中でも使用することができる。
(3) 聴覚保護具を選定するときは、作業の状況にかかわらず、できるだけ、遮音効果が大きいものを選定する。
(4) 全身を防護する化学防護服には、服内部を気密に保つ構造の気密服、呼吸用空気を外部から取り入れ服内部を陽圧に保つ構造の陽圧服、服内部への有害物の侵入を規定値以下とした密閉服がある。
(5) 化学防護手袋の耐浸透性は、クラス1からクラス4までに区分されており、有害性が高い物質を取り扱う際には数値が小さいものを選択する。
解答
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(3)
【解説】
作業環境測定士 労働衛生一般 まとめ⑤ 呼吸用保護具の種類~その他保護具 を参照
(1)
(3)危険作業等において安全確保のために周囲の音を聞く必要がある場合や会話の必要がある場合は、遮音値が必要以上に大きい聴覚保護具を選定しないよう配慮する。
(5)これは中々難しい問題なので、これを選んだ方も多かったのでは?耐透過性はクラスが大きいほどよく、耐浸透性はクラスが小さいほうが良い。こういうのは全てにおいてそろえて欲しいですね。
問19防毒マスクに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)防毒マスクは、その形状及び使用の範囲により、隔離式、直結式、直結式小型の3種類に区分され、隔離式のものが最も高濃度下で使用することができる。
(2) 有機ガス用吸収缶には活性炭が使用されているが、メタノールは活性炭にほとんど吸収されないため、有機ガス用吸収缶の除毒能力試験に使われるシクロヘキサンと比べて破過時間が著しく短くなる。
(3) 一酸化炭素用吸収缶は、触媒作用により、一酸化炭素を二酸化炭素に変化させている。
(4) 防じん機能を有する防毒マスクの粒子捕集効率の区分は、防じんマスクの粒子捕集効率の区分と同じである。
(5) 防毒マスクを着用するときは、ヘルメットの上からしめひもを使用するようにすると、面体と顔との密着性を高めることができる。
解答
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(5)
【解説】
(5)下記の装着の着用を行わせないことに留意することとされている。
①面体と顔の間にタオル等を挟んで使用すること。
②着用者のひげ、もみあげ、前髪等が面体の接顔部と顔面の間に入り込む、排気弁の作動を妨害する等の状態で使用すること。
③ヘルメットの上からしめひもを使用すること。
問20作業環境評価基準に定める「管理濃度」及び日本産業衛生学会の「許容濃度等の勧告」に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1) 鉱物性粉じんの管理濃度E(mg /m3)は、その遊離けい酸の含有率をQ(%)とした場合、E = 3.0 /(1.49Q+1)により算定される。
(2) D 測定を行った場合は、D 測定値を管理濃度と直接比較して、管理区分の決定に用いる。
(3) 許容濃度を利用するにあたっては、労働強度、温熱条件、気圧などを考慮する必要がある。
(4) 許容濃度等の勧告において、ヒトに対する生殖毒性については、第1群、第2群、第3群の3種類に分類されており、ヒトに対して生殖毒性を示すことが知られている物質は、第1群に分類されている。
(5)許容濃度等の勧告における感作性物質には、アレルギー性呼吸器疾患を誘発する気道感作性物質と、アレルギー性皮膚反応を誘発する皮膚感作性物質がある。
解答
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(1)
【解説】
作業環境測定士 労働衛生一般 まとめ⑤ 管理濃度や許容濃度等 を参照
(1)粉じんの管理濃度
E = 3.0/(1.19Q+1)
E:管理濃度(mg/m3)
Q:当該粉じんの遊離けい酸含有率(%)
(3)許容濃度を利用するにあたっては、労働強度、温熱条件、放射線、気圧などを考慮する必要がある。これらの条件が負荷される場合には、有害物質の健康への影響が増強されることがあることに留意する必要がある。